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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2025/04/22 (Tue) 12:48:03

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No.46
2009/10/16 (Fri) 01:07:28

 数日後、アデラインはウォルトンに連絡を入れ、自宅に招いた。ロジャー祖父が姿を変えて蘇ったことは伏せておいた。
「いらっしゃい、ウォルトンさま。どうぞおかけになってください。ただいま祖父を呼んで参ります」
「なんですって?」
「祖父は生き返ったのです。おじいちゃま?」
 ロジャー祖父の精神の宿った黒い箱型のロボットが、静かに室内に入ってきた。
「こちらが祖父のロジャーですのよ」
 ウォルトンは疑わしげにロボットをジロジロと見た。
「おお、久しぶりだな、ウォルトン」ロボットが口を聞いた。
 ウォルトンはギクリとし、一瞬、警戒の表情を浮かべたが、すぐに愛想のいい顔になって、
「お久しぶりです、ロジャーさん。その節はいろいろとお世話になりました」
「うむ、わしのほうこそ、財宝探しなぞという愉快な仕事をさせてもらって感謝してますぞ」
「……あ、あのプラチナの件でございますね、ときにロジャーさん、あなたの最後の通信があいまいな内容だったもので、ちょっと気にかかっていたんですよ。結局プラチナは見つかったんでしょうかね?」
「いや、わしは見つけることが出来なんだ。もう少し探索しようと思っていたところであの流星にやられてな。それから先はお前さんがおそらくよく知っておろう?」
 ウォルトンは少し黙って無愛想に目を細め、黒いロボットをじっと見つめていたが、またすぐにニコニコ笑って、
「そうでしたか、それは残念でした……いやしかし、こうして生き返っておいでになったとは、お宝の発見にもまさる喜びです。今日は商用があってこれで失礼させていただきますが、どうでしょう、またお邪魔させていただいてよろしいでしょうか。積もるお話もありますし」
「うむ、構わんよ」
 ウォルトンはそそくさとアデライン邸をあとにした。明らかに動揺していたようだった。

「奴め、わしを殺そうとした計画がバレていたこともうすうす気付いておるようじゃな」
「そんな感じだったわね。でも彼、もう一度来るって言ってたけど、呼んじゃっていいの?」
「わしは一度死んだ身だ、相手がどう出ようと恐れることはないさ。それよりアデライン、このあいだプラチナはお前にやろうって言ったね。気が進まない様子だったが、受け取ってはくれぬのか」
「あたしはそんなもの、どうだっていいの。おじいちゃまさえいてくれたら……」
「お前は欲がないんだな。いや、お前に再び会えたことが、わしは本当に嬉しいよ」

 数日後、言葉通りウォルトンがアデライン邸に再び訪れた。しかし今度は一人ではなく、部下らしき男を二人、連れてきていた。
「すみません、こいつらはうちの会社の若い者なんですが、伝説の宇宙パイロット、ロジャー翁の話をぜひ聞きたいと申しましてね」
「はじめまして、お会いできて光栄です」二人の若い男は快活に言った。陽に焼けたスポーツマンタイプの男たちだった。
「こちらこそ、よろしく」ロジャーは穏やかに言った。
「思いがけずお客様が増えて、嬉しい驚きですわ」アデラインが鈴が鳴るような美しい声で言った。
「お茶が入りました」セバスチャンがうやうやしく給仕した。
「今日はお土産がございましてね。おい」
 すると部下の一人がケーキが入っているかのような大き目の白い箱を取り出した。
「さて、気に入っていただけるかどうか」
 ウォルトンがふたを開けると、いきなり二人の部下が箱の中に手を突っ込み、中から銃を取り出して構えた。ウォルトンもゆっくりと箱から銃を取り出し、安全装置をはずすと、アデラインの肩をつかまえて乱暴に彼女に突きつけた。
「おい、ロジャーさんよ。あんたがプラチナを見つけたってのはお見通しなんだ。孫娘を死なせたくなかったら、隠し場所を言うんだな」
「おじいちゃま……」アデラインがおびえたように言った。
「アデラインは関係がないぞ……いや、わかった、隠し場所を話すからその子を離してやりなさい」
「ではどこにある?」
「タイタン(土星の衛星の一つ)のある場所に隠してある。その場所はわしでなくては分からん」
「よーし、じゃあロジャーさん、俺たちと一緒にタイタンまで来てもらおうか。おっと、アデラインも一緒だぜ。死にぞこないのお前さんは命は惜しくはねえだろうが、アデラインのためならこっちの言う事を聞いてくれるからな」
「卑怯だぞ……」
「よし、お前たちはロジャーを引っ張って来い」
 そう言ってウォルトンは、部下とロジャー翁を引き連れ、アデラインに銃を突きつけながら屋敷を出て行った。

「お嬢様、ウォルトン氏たちはお帰りになりました」セバスチャンが柔和な声で言うと、アデラインが廊下の陰からピョッコリ顔を出した。続いてロジャー祖父のロボットも姿を現した。
「ふふふ。連中、あたしたちの偽者に恐ろしい剣幕で迫ってたわね」
「いや、わしの偽者が簡単に造れるのは分かるが、アデラインが自分そっくりのアンドロイドを造れるとは驚きだったな」ロジャー祖父のロボットが言った。
「そのうちに気付くでしょうけどね。セバスチャン、今の映像ちゃんと撮れてた?」
「はい、お嬢様」
「これでウォルトン一派は恐喝・誘拐未遂の罪で警察に引き渡せるわね。これで一件落着ってわけね」
「いや、アデライン、本当のプラチナの隠し場所に早く行かんと。あれはお前のものなのだぞ」
「それが……ごめんね、おじいちゃま。プラチナの件は政府に知らせたわ。プロメテウス(土星の衛星の一つ)には、今頃お役人たちの宇宙船が向かってるわ。だって、あのプラチナはもともと政府のものだったのですもの」
「む……そうだったのか。うん、考えてみればそれが良かったのかも知れんな。アデラインは、本当に素直な子に育ったんだな。わしは誇らしいよ」
「わたしも、政府にはいろいろなお仕事をさせてもらっている義理がありますもの。恩をあだで返すような真似はできないものね」アデラインは落ち着いた口調で言って、微笑んだ。
「そうかそうか……しかしわしは、若い頃から仕事一途で、子どもたちや孫たちに何もしてやれなんだという後悔があってな……今のアデラインを見て心を動かされもしたし、いま一つ、贈物をしてやりたいと思うのだ。わしは昔、共同経営である男と鉱山会社を興していたことがあってな。あるとき木星近くの小天体で大量に金(きん)が取れたのだ。わしの共同経営者、ベルという男だったが、彼がその金(きん)を地球に持ち帰る輸送船が事故を起こしてな。その船はどうやらイオ(木星の衛星)に墜落したらしいのだが、十分に捜索してやれず、その船を見つけることがついに出来なかった。その金(きん)、砂金の状態だったのだが、三百トンほどあり、その所有権は今は全てわしにある。ベルという男は身寄りがなかったからな。さあ、今度こそは政府のものでも誰のものでもない財宝だ。それを見つけ出して一族のもので分けてほしい。アデライン、同意してくれるね?」

 アデラインはときどきキラリキラリと目を輝かせて、興味深げに祖父の話を聴いていた。
「え? あ、そうね、三百トンの金。いや、そんなものよりおじいちゃまと一緒に暮らせることのほうが嬉しいんだけど、そうね、そんなに仰るのなら、いただこうかしら。いやもちろん、一族みんなで仲良くね。ええ、それはもう」
「アデライン、何を落ち着きを失っておるのだ。たかが三百トンの金ではないか。いや、お前の科学力をもってすれば、遭難した船の場所を突き止めるのもたやすいだろう。探し出して金(きん)を持ち帰るが良い」
「ええ、そうね、イオにあるのね、金塊を上手く探し出す方法を考えてみるわ」
 アデラインは「そうね、金(きん)ね、どうしようかしら」とブツブツつぶやきながら、心ここにあらずといった調子で実験室の一つに入っていった。


「ねえ、おじいちゃまも本当に行くの? あたしはちょっと用事が立て込んでて今回は行けないんだけど、その走査機があればセバスチャン一人でも十分難破船を探せると思うわ」
「いや、わしも久しぶりに宇宙に出たくなってな。それに昔の友人の船を捜しに行くんだからな、この目で見届けんと」
 ロジャー祖父の黒いロボットはゆっくりと、今回の旅のためにリースした特別装甲の大型船に入っていった。荷物の積み込みをほぼ終えたセバスチャンがアデラインのもとにやって来て、小声で言った。
「お嬢様、ずっと気になっていたのですが、おじいさまと今回の金(きん)の件、ご親族の誰かにお知らせになったのですか?」
 アデラインはそれを聞くと急に息をひそめて、小さな小さな声で言った。 
「知らせるわけないじゃない……あたしの親族って、こんな話を聞かせたらもう阿鼻叫喚の遺産ぶんどり合戦地獄よ。おじいちゃまはもう死んだことになってるんだし、この話を知ってるのはあたしたちだけ。ここはひとつまるく収めましょうよ」
「ということは、お嬢様が独り占めになさるので?」
「人聞きの悪い言い方しないで頂戴。まるく収めるだけよ。さ、おじいちゃまが待ってるから、早く行ってらっしゃい」
 セバスチャンは少し小首をかしげながら宇宙船のほうに向かった。
「アデライン、では行ってくるぞ!」ロジャー祖父が大声で言った。
「うん、言ってらっしゃーい! くれぐれも気をつけてね!」アデラインは天使のような笑顔を浮かべ、元気よく手を振って言った。 

 二週間後。アデラインの開発になる極小ロボットを使った手術で、みごと枢密院議長の命を救ったことを讃えられ、彼女は連日のようにレセプションに出席していたが、その日はある地区の警察の一日警察署長を務めていた。上級婦人警官の制服に身をつつみ、敬礼をして警官たちの行進を見やる凛とした姿は、彼女の功績をさらに輝かしく彩るかのようだった。
「今日いちにち、警察署長を務めさせていただいたことで、警察官の皆様の日々の重責の一端をうかがい知ることができ、平和な日常の尊さを改めて深く感じました。皆様には……」
 アデラインのスピーチの最中、グォーンという轟音が空から鳴り響き、きらきらと光る粒子がたくさん、あたり一面に降り注ぎ始めた。皆がざわめきだした。降って来たのは砂金だった。アデラインが空を見上げると、イオに赴いていた大型宇宙船が低空飛行をしているのを認めた。
 アデラインは慌てて、腕時計の通信機のスイッチをオンにして言った。
「セバスチャン? あなたたちの宇宙船が今あたしの頭の上を飛んでるんだけど、これ一体どういうこと!? この砂金は、まさかあなたたちが降らせてるんじゃないでしょうね?」
「お嬢様? ええ、いかにも私たちの宇宙船から砂金を降らせています。実はロジャーおじいさまが、出発の直前にお嬢様が私に小声で言われたことをすべて聞いておいででして、この砂金はきっとアデラインや一族のものの人生を狂わすであろう、とのことでした。そして全て地上に散布するように、とのご指示でしたので」
「そうだった、おじいちゃまは地獄耳……それであなた、それを文字通り実行しちゃったわけ!?」
「はい、金(きん)の所有者はあくまでおじいさまでいらっしゃいますので。それにわたくしも、お嬢様のためにこれが最善の選択だと思いました」
「あなた、それでもあたしの執事!?」
「ご主人様のことを思えばこそです」
 アデラインはその場にひざまずき、呆然と空を見上げた。
 やがて警官たちが「砂金だ、砂金だ!」と叫びだし、服のすそやハンカチでそれを受け止めようとし始めた。アデラインは慌てて立ち上がり、警官の群れの中に踊りこんだ。
「それ、あたしのよ! 全部あたしのなんだから!」
 金粉が空に美しく舞う、秋の夕暮れ時だった。

(終)

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.

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No.45
2009/10/16 (Fri) 01:05:50

 セバスチャンが第九実験室の扉を開けた。
「お嬢様、お茶が入りました」
「あ、セバスチャン。ご免なさい、お茶はもう要らないわ」
「お嬢様? どこにいらっしゃるのですか?」
「ここよ、ここ」
「はて……」
「机の上を見なさい」
 見ると、複雑な工作機械の上で、背たけが三センチほどの小さなアデラインが小さな机に座り、バーナーを使って作業していた。
「お嬢様、いったいどうなさったので」
「依頼があった医療用の極小ロボットを造ってるの。これ、組み立てるのにまず小さな工作機械を作り、それでさらに小さな工作機械を作り、それを使ってもう一段階小さな工作機械を作って、そのミニ機械でロボットを作ってたんだけど、それが故障しちゃって。面倒だからこの前の物質縮小装置で自分を小さくして、細かい作業をやることにしたの」
「しかしお嬢様、そのサイズでは周りの工具が倒れてきたりすると大変に危険です。どこかから這いこんできた虫に襲われるかも知れません」
「大丈夫だって。あたしも注意しながらやってるんだから」
「それに、物質縮小装置は人間の精神に変調を起こすのではありませんか」
「うん、それも改良したわ」
「しかし、わたくし、お嬢様が心配で目が離せません」
「じゃあ、そこにずっといて頂戴。でもむやみに話しかけないでね」

 何時間もアデラインの慎重な作業が続き、いつしかアデラインは机の上で眠りこけ、セバスチャンはタオルの端を切り取って作った小さな毛布を、彼女の上にかけてやった。
 彼女がスヤスヤ眠っていると、セバスチャンが声をかけた。
「お嬢様、起きてください」
 小鳥がちゅんちゅん鳴いていた。もう朝だ。
「ウォルトン氏という方からお電話です。何でも亡くなったおじい様のことで重要なお話があるとか」
「うん……むにゃむにゃ……え、おじいちゃまの話?」アデラインは眠い目をこすりながら言った。
「じゃ、すぐ出るわ……っと、その前にあたしを元のサイズにして頂戴。そこに装置があるから」
 セバスチャンが金色の小箱をアデラインに向け、光線を放つとみるみるうちに彼女は大きくなった。
「よっと」机から飛び降りたアデラインは、スタスタと実験室を出て行った。

「ウォルトン氏はなんと仰っていましたか?」
「うん、なんでも彼はおじいちゃまが亡くなったとき、共同で難破した宇宙船の財宝を探してたって言うの。大量のプラチナらしいわ。でも、それを発見した直後におじいちゃまの船が事故に遭って、亡くなってしまったの。その船からはプラチナは見つからなかった。ウォルトン氏はおじいちゃまの遺品を回収したけど、あたしたち遺族には内緒にしていた。遺品の中にプラチナのありかの手がかりがあるかも知れないってことでね。あたしたちには大変申し訳ないことをしたって言ってたわ。それで、今度その遺品を持ってくるから、何かおじいちゃまの遺言のようなものが隠されていないか見てほしいって言うのよ」
「ロジャーおじいさまが最後にそのような仕事をなさっておいでとは、聞き及んでいませんでした」
「あたしもよ。おじいちゃまは一匹狼のパイロットとして、危険な仕事、秘密の仕事をたくさんしてたしね」

 翌日、ウォルトン氏がアデライン邸に現れた。背の低いがっしりした体つきで、四角い顔をした五十ぐらいの男だった。彼は名刺を差し出し、アデラインと一通りのあいさつを終えると、事情を話し始めた。
「亡くなったおじい様は、いわば私どもとチームを組んで仕事をしていたのです。私は、小さな宇宙船のリース会社を営んでいます。私が宇宙船をお貸しし必要経費を負担するかわりに、おじい様は難破船のプラチナを探索に行く。おじい様はそれを発見したらしい。百トンにも及ぶプラチナです。しかし土星付近で流星の被害に遭い、おじいさまは帰らぬ人となられました」
「そうだったんですか。わたくしどもも土星付近で難破したという事だけ存じておりました」
「おじいさまの見つけられたプラチナ、もちろん半分はおじいさまの物ですからご遺族にお返しします。しかしもう半分は、出資者たる私のものです。そのような契約でした。それで、ここにおじいさまの船から回収した遺品を持参してまいりました」
 ウォルトン氏は黒いスーツケースを開けた。中には祖父ロジャーの腕時計やシガレット・ケース、ナイフ、指輪などの遺品が十数点収められていた。
「本来なら、おじいさまが亡くなられた後すぐにお返しするべきでした。しかし当時私どもの会社は経営の危機にあり、一刻も早くプラチナを見つけ出す必要があったのです。ご遺族の方には、遺品は何もなかったとお伝えしましたが、大変申し訳ないことをしました」
「ご丁寧に有り難うございます……わたくし、この遺品をじっくり調べてみますから、少しお時間いただけませんでしょうか。そう……一週間以内にはご連絡差し上げられると思います」
「結構ですとも。では、何か分かりましたら名刺にあります電話番号へご連絡ください」
 
 アデラインは遺品の中から、直径五センチほどの円い金属板をつまみあげ、ふんふんと鼻歌を歌いながら客間から出て行った。第十五実験室に入ろうとするアデラインに、セバスチャンが尋ねた。
「お嬢様、その金属板に手がかりがあるのでございますか」
「そうよ。あなたも入ってようすを見ているといいわ」
 アデラインが大きなスクリーンのついた装置に向かい、スロットに金属板を入れて幾つかのスイッチを入れると、画面には、多少画像が乱れてはいるが、髪の長い少女の顔が映し出された。
「驚いた? 十二歳のときのあたしよ」
 画面の中の小さなアデラインが話しはじめた。

「どう? おじいちゃま、装置の付け心地は……うっとうしくない?」
「いや、まるで邪魔にならないよ。しかしこれで、本当にわしの体験がすべて記録されるのかね?」
「もう記録は始まってるのよ。おじいちゃまが今見ているあたしの顔、あたしの声、全部その機械の丸い板の中に収められてるのよ」
「わしが考えたこと、感じたことも全てかい?」
「ええ」アデラインがニコニコとあどけない笑顔を見せて答えた。

「お嬢様、この映像は……?」スクリーンを観ていたセバスチャンが言った。
「あたしが十二歳の頃ね、おじいちゃまがふと言ったの。自分は宇宙パイロットとして、何十年にもわたってさまざまな仕事をしてきた。危険な仕事、世にも珍しい体験も数多くしてきた。それを何とか記録に残したいが、自分には自叙伝などを作っている暇はなさそうだ……ってね。それであたしが、人間の見聞きしたこと、思ったこと感じたことをすべて記録する装置を考案して、おじいちゃまにプレゼントしたってわけ。自分で自叙伝を書いたり口述筆記させなくても、体験を思い出すだけでこのディスクに記録されるから、時間のないおじいちゃまにも人生の記録が残せるはずよって言ったら、おじいちゃますごく喜んでいたわ」
「では、今映っているのは、ロジャーおじいさまが初めてその装置をつけたときの映像ですか」
「そうよ。だから例の最後の冒険のときの映像を見れば、プラチナのありかも分かる」
「……お嬢様、差し出がましいようですが、一度その映像を止めていただけませんか」
「なぜ?」
「もし、プラチナがおじいさまの手によって何らかの処分をされたのなら、それはおじいさまのご遺志です。お嬢様といえども、勝手に覗き見るというのは如何なものでしょうか」
「うーん……」アデラインはしばし頬づえをついて考え込んだ。
「言われてみればその通りかも知れないわ。あたしも、大好きなおじいちゃまの頭の中を好き勝手に覗き込むのはなんだか気が進まない。じゃ、こうしたらどうかしら。このディスクには、おじいちゃまの記憶やものの感じ方が収められている。このディスクを頭脳回路に組み込んだロボットを作れば、おじいちゃまそっくりの記憶と考え方を持つはずだわ。そのロボットにプラチナのことを尋ねてみるっていうのはどう? 彼が答えたくなければ、きっと答えないでしょうし」
「そのロボットはおじいさまとほぼ同じ人格を持っているわけでございますね」
「まあそうね」
「ただ、そうやってロボットとして蘇ったおじいさまに、ただプラチナのありかをきくためだけに生き返らせられたと感じさせるのは残酷かと存じます。生前のおじいさまに対するのと同じような敬慕を持って接していただきたいものです」
「まあ、いやにロボットの肩を持つのね」
「わたくしもアンドロイドですから」

 下手に人間に似せたロボットとしてロジャー祖父を蘇らせるのは、かえって残酷かもしれない……そう思ってアデラインは、黒い箱型の、上部にセンサーのついたシンプルな形のボディにディスクを組み込んだ。移動は車輪で行う。

「おじいちゃま、おじいちゃま」ロボットの電源を入れたアデラインが、恐るおそる話しかけた。
「ん、うむ……ここはどこだ? わしはバウンティ号のブリッジにいたはずだが」
「バウンティ号は大破したの。ここは地球よ」
「む……思い出した……右舷からの流星をよけきれずに、船は致命的な損傷を負った。わしは助かったのか?」
「それが言いにくいんだけど……おじいちゃまはそのとき死んでしまったの。今、記録ディスクを使って意識を取り戻したのよ……」
「まだ状況がよく飲みこめん……しかし、お前さんは誰だ?」
「アデラインよ」
「孫娘のアデラインか? もっと幼かったはずだが……」
「バウンティ号の事故があってから、もう七年たっているのよ。今あたしは十九歳」
「そうなのか? 七年も……しかし、お前にまた会えるとは夢のようだ。美しく成長したな。見違えたぞ」
 アデラインは、七年前に体験記録装置をロジャー祖父にプレゼントし、それによって以後のロジャーの記憶感情がディスクに収められ、こうして意識を取り戻したのだ……と、もういちど祖父に説明した。ロジャー祖父は理解したようだった。
「しかし、七年か……世間はどれぐらい変わったものかな。アデライン、もっとお前ともいっしょに過ごしたかったよ」
「セバスチャン、アルバムを持ってきて」アデラインは優しげに微笑み、一瞬十二歳の少女に戻ったような無邪気な笑顔になって言った。
 セバスチャンが持ってきた古風な紙のアルバムを、アデラインは祖父に開いて見せた。
「ね、これが赤ちゃんのときのあたし。おじいちゃまも写ってる、とっても嬉しそうなお顔……。これはあたしが十一歳で学位をとったときの写真。おじいちゃまがプレゼントに綺麗な手鏡を贈ってくれたわね。お前も勉強ばかりしてないで、これからは身なりにも気を遣いなさいって。そしてこれが十四歳のときのあたし……」
 アデラインは嬉々として、祖父が生前見られなかった自分の成長の記録をひもとき、思い出話を語っていった。
「……そしてこれが、十九歳の誕生日の写真。そしてこれが……ん、何これ!?」
 アルバムの最後のページに、実験室の机の上で、ピースサインをしながら小さな陶器の入れ物に入っているらしきアデラインの写真があった。
「セバスチャン、この写真は何?」
「お嬢様が極小ロボットを作るために、ご自分を縮小された晩に写したものです。覚えていらっしゃいませんか?」
「全然覚えていないわ」
「お嬢様はお疲れになったとのことで、東洋製の陶器の入れ物にお湯を入れて持ってこいと言われました。持って行きますとお嬢様は突然服を脱がれ、ポチャンとお湯につかり『きゃー、おちょこのお風呂よ! せっかくだからカメラを持ってきてあたしを撮りなさい!』とのことで」
「あたしが? 嘘……というか、あたし、あなたの前で服を脱いだの?」
「ええ。やはり物質縮小装置は精神に変調をきたすようでございますね。お嬢様の場合は極端に開放的になるのではと思われます」
「信じられない……それに何よこの写真、バカまる出しじゃない……満面の笑みを浮かべてピースまでして」
 アデラインが眉をひそめていると、ロジャー祖父が笑いながら言った。
「いやいや、可愛いではないか。お前は小さなときからマセておったからな、こんな写真を見ると安心するぞ」

 楽しい団欒のひと時を過ごしたあと、アデラインが少し改まって言った。
「おじいちゃま、実はウォルトンという人から頼まれたのだけど、おじいちゃまがウォルトンさんと共同で見つけ出したプラチナのありかを知らないか、心当たりがあれば教えてくれって……」
「その件か……わしが最後に仕事をしたのがウォルトンとの財宝探しだったんだな。難破した政府の宇宙船が積んでいたプラチナだ。最初、それが見つかれば折半するという約束だったのだが、出発間際にウォルトンと部下のものが話すのが偶然耳に入ってな。早い話が、わしがプラチナを見つけてきたら、わしを殺して独り占めしようという相談だったのだ。ハハ、わしは昔から地獄耳だったからな」
「ウォルトンって人、そんなに悪い人だったのね。で、どうしたの?」
「わしはプラチナを長年の勘で探し当てた。しかし殺されてはつまらないから、ウォルトンには黙って、プラチナをある場所に隠したのだ」
「でも、ウォルトンさん、おじいちゃまがプラチナを見つけたって知ってたような口ぶりだったわよ」
「やつは勘が鋭いからな。最後の交信のときの声の調子で、わしがプラチナを隠したことに気付いたのかも知れん。だが、隠し場所までは分からなかったろう。その隠し場所というのは……」

(つづく)

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
No.44
2009/10/16 (Fri) 01:02:13

 グレーのスーツを着た男がチャイムを鳴らすと、玄関からアデラインが姿を現した。白いTシャツに黒のショートパンツというラフな格好。
「どなた?」
「ndr博愛協会の者です。今回は、車椅子用斥力車を公共施設に寄付するため、皆様のお力添えをと思いまして」
「まあ、北ドイツ放送交響楽団のかた?」
「そのNDRではございません。博愛協会です。これをご覧になってください。『愛のフキン』です。たったの2000クレジットでございます」
「でも、そういうの間に合ってますし」
「ただのフキンではございません。陽電子を帯びた特別な糸で縫ってございまして、どんな汚れも簡単に落とすことができます」
「うーん、そうね……あ、ちょっとお上がりになりません? 立ち話もなんですし」
「いえいえ、ここで結構でございます」
「そんなこと仰らずに。あなたお名前は何と仰るの」
「ジェイムズ・ライトです」
「じゃ、ジェイムズ。いいこと、うちに上がってお茶を召し上がってくださいな。そのフキン、何枚でも買ってもいいかなって、そんな気分になるかも知れなくてよ」
「いや、急ぐのですが……いや、そんなに仰るのなら」
「お座りになって、ジェイムズ。ネクタイをお外しになったら。たくましい胸……そんな腕に抱かれる女性が羨ましいわ。わたし、胸がどきどきしてきちゃった。確かめてみる?」
「ああ、お嬢さん!」とジェイムズが言って手を伸ばすと、アデラインはするりと身をかわし、背を向けながらも思わせぶりな流し目で、
「女のあたしからこんなこと言うの、はしたないんだけど……あたしのベッドルームに来る勇気、おありになって?」
「お嬢さん!」ジェイムズがアデラインに抱きつこうとすると、手がすり抜け、彼はその場に派手に転んだ。
このアデラインは立体映像だったのだ。

「アハハハハ! 馬鹿な男!」屋敷の奥のモニター室で、一部始終を見ていたアデラインがケラケラと笑った。
「お嬢様、いい加減に男心をもてあそぶのはおやめになっては」セバスチャンが言った。
「だって、あのセールスマン、しつこいのよ。慈善事業だとか言って、まるで押し売りみたい。ちょっとは痛い目を見るがいいわ」

 そのとき、ガラガラという大音響とともに天井が割れ、大小の石材が二人の上に降りかかってきた。
「きゃーっ!」
 床に伏せ、どうやら軽症にとどまったらしいアデラインが叫んだ。
「何事!? セバスチャン、何が起こったの?」
「どうやら何者かが屋根から侵入した模様です」大きなコンクリートの下敷きになって、砂埃にまみれながらも表情一つ変えずセバスチャンが言った。
「やあ! 久しぶりだねえ、アデラインにセバスチャン」金髪に青白い顔をした少年が、開いたパラシュートを背に現れた。
「ジェローム!」アデラインが叫んだ。
「やあやあ、可愛い従弟が遊びに来てやったよ。アデライン、また一段と綺麗になったなあ」
「それどころじゃないわ! なんで天井を突き破って入ってくるのよ! あたしに恨みでもあるの!?」
「とんでもない、お姉さま。たまたま着地したところがここだったというだけで、他意はないのさ」
「セバスチャンはアンドロイドだから良かったものの、普通なら死んでたわよ!」
「いやいや、私は何ともございませんので」セバスチャンは、コンクリートの塊を難なくはねのけて立ち上がり、体の埃を払った。「お久しゅうございます、ジェローム坊ちゃま」
「おう、セバスチャン、元気だったかい? じゃ、喉が渇いたからアイスコーヒーでも飲ませてもらおうか」
「ちょっと、それよりあんた、どこから降ってきたのよ」
「ああ、寄宿舎の連中とね、ちょっとアルプスあたりに旅行に行こうかっていうんで、飛行機に乗ってたんだよ。でも俺、急に気が変わってさ。パラシュート背負って途中で降りてきたってわけ」
「あんたってほんと移り気ねえ。飛行機に乗ってて急にいなくなったら、みんな心配するわよ」
「だと思うよ。操縦してたのは俺だから」
「セバスチャン! すぐ助けに行って!」
「は!」セバスチャンは脱兎のごとく部屋を飛び出し、小型ジェット噴射機を背負ってあっという間に空のかなたに消えていった。
「はああ、さすがアデラインの造ったアンドロイドだ、俊敏だねえ……」
「感心してる場合じゃないわよ! あんた自分のやった事がわかってるの!?」
「はいはい、承知しておりますとも。一族きっての才媛アデラインにひきかえ、出来の悪い従弟のジェロームはどうせ馬鹿ばっかりやりますですよ」
 そのとき、アデラインの腕時計がビーッビーッという発信音を鳴らした。
「はい、あ、セバスチャン? ジェロームの飛行機に無事乗り移ったのね? みんなに怪我はない? 良かった……じゃ、あんたが操縦してみんなを帰してあげてね」
 アデラインはホッと胸をなでおろした。
「まったくもう……あんたにはほとほと呆れたわ」

 夜になってセバスチャンが戻り、アデラインとジェロームの食事の用意をした。
 ジェロームはスプーンでシチューをかき混ぜながら、
「なあ、アデライン、小遣いくれよ。10万クレジットぐらいでいいから」と、昼間大騒動を起こしたにも関わらず、図々しく言った。もっとも、アデラインも後には引きずらない性質だから、そんな言葉もケロリと受け流した。
「駄目よ。あんたももう十八でしょ。いつまでもお小遣いなんかねだるもんじゃないわ」
「儲けてるんだろ。この間も宇宙ハイジャックを捕まえてだいぶ褒美をもらったって、ニュースで言ってたぜ」
「自分で何とかしなさいって言ってるのよ。そのほうがあんたのためだわ」
「小遣いくれないって言うんなら、あの事みんなにバラしてもいいんだぜ。マスメディアもアデラインのゴシップとなれば、きっと放っておかないな」
 アデラインは少し頬を赤らめつつも、
「べ、別にいいわよ。もう何年も前のことだし」
「へー」ジェロームはワインをぐいと飲み干してから、話題を変えた。
「ときにアデライン、最近はどんな研究をやってるんだい」
「話せることはあまりないけど……そうね、政府の専有になったんだけど、空に広告を描く技術ってのを最近までやってたわ」
「なんだいそりゃ」
「災害情報とか、国民投票の告示とか、大事な情報を誰もが見るように、空に表示するのよ」
「へえ、そんなことが出来るもんかな」
「特殊な軽いワイヤーの入った、安定した霧のスクリーンを空に張るの。そこにいろんな文字を投射するのよ。空に大きく目立つ文字で書かれるんだから、嫌でも誰の目にも入るってわけ」

 その夜、ジェロームはアデライン邸に泊まった。午前三時ごろのこと。
「お嬢様、起きてください」
「ん、うーん……何、セバスチャン。何があったって言うの」
「何者かがこの屋敷に忍び込みました。黒い人影を見ましたが、取り逃がしました……面目ございません」
「え……警報装置はどうしたのよ」
「それが、昼間ジェローム坊ちゃまが天井を突き破ったとき、回路に故障が生じたものと思われます」
「何か盗まれたかしら?」
「それが何とも……」
「いいわ、あたしが確かめる」
 パジャマの上にカーディガンを羽織ったアデラインが、十五ある実験室を一つひとつ確かめていった。
「あ……空中広告投射機の試作品がひとつ無くなってる」
「被害はそれだけでございますか」
「どうもそのようだわ……危険な機械ではないけれど、政府が買い上げた特別なものだし、ちょっと困ったことになったわね」

 翌日の午後、北の空にピンク色の大きな文字で次のような文面が浮かんでいたものだから、アデラインはもちろん、街中の人々が驚きの声を上げた。

 LGS百貨店、この金・土・日はお客様感謝デー!! 
 全品30%~50% OFF !!!

「投射機を盗んだのはあそこだったのね……盗みを働いてまでこの三日間の売り上げをのばそうとは、太い根性だわ。セバスチャン、行くわよ!」
 二人はエア・カーを飛ばしてLGS百貨店へ行き、投射機を設置していると見られる屋上階に昇ろうとした。しかし地上五十階の屋上に対し、四十五階より上は立ち入り禁止、電磁バリヤーまで張ってあるという念の入りようだった。
「責任者と話をつけてくるわ」アデラインは百貨店の支配人に掛け合ったが、相手は「あの広告はうちの発明品です」の一点張り。
「投射機を見ればわたしの家から盗まれたものかどうか分かるわ」と言っても、逆に「当店の企業秘密です」と断られてしまった。

 作戦を練り直そうと、うらめしげに空の広告を振り返りながらアデラインが引き上げようとすると、彼女の腕時計から着信音が鳴った。
「どなた?」
「ジェロームだよ。今、空の広告を消してみせるから空を見てな」
 アデラインが見上げると、みるみるうちにピンク色の空の広告が消えていった。
「ジェローム、いったいどうやったの?」
「いや、友達の親父がLGS百貨店の大株主でね、そのコネを使って屋上に上がらせてもらって、隙を見て投射機のスイッチを切ったのさ」
「あなた、その投射機をそこから運び出せる? 四十五階まで来てくれたらこっちで何とかするわ」
「そいつはご褒美しだいだね」
「昨日のお小遣いの話? いいわ、10万クレジットぐらいの価値は十分にある働きだもの」
「いやいや、こいつは100万クレジットはもらわないとね。この装置を取り返さないと君の信用問題になるんだろ」
「100万って、そんなお金ないわ」
「嘘だろ。100万もらうまでここを動かないぞ。それとも、あの事みんなにバラそうか?」
「う……30万でどうかしら」
「アデラインは意外とケチなんだな」
「50万では?」
「もういいさ。空を見てみるんだな」
 百貨店の上空には、真っ赤な文字ででかでかと、次のような文字が浮かんでいた。

 アデラインは、十六歳のとき植物と話す装置を発明し、らっきょと意気投合し、ついには結婚を申し込んだ
 彼女のラブレターに曰く、ああらっきょさん、らっきょさん、あなたはなぜらっきょなの?
  

 がたがた肩を震わせているアデラインに、セバスチャンは恐るおそる話しかけた。
「ジェローム坊ちゃまの口座に100万クレジット振り込みましょうか?」
「好きにするがいいわ……ジェローム、覚えてらっしゃい」
 セバスチャンは、去っていくアデラインの、いつもよりちっぽけに見える背中を眺めやり、事態の後始末をどうつけようかとしばし考え込んでいた。

(終)

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執筆陣
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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


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