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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/23 (Sat) 12:15:46

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No.368
2010/11/07 (Sun) 21:09:51

首相の走者主体の捜索隊、曹操の奇襲で死者続出し衆生を取捨選択す

知己の父が基地の狆を調教

論文は案山子が柿食えば可換環で官憲でも簡単に書ける、ああ画期的な幾何化予想

享保元年豊胸の方法が東邦に報告され、皇居の放埓な広報が北欧の国宝に放尿し崩御

リオの理学療法士がカリオストロの城で千リラでスカトロさぞ臭かろう

琴光喜床に就きつつトトカルチョ


■ 皆さん挑戦してみてください。

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No.365
2010/10/24 (Sun) 09:29:39

ハイジがいつものように冷たい水で顔を洗っていると、そこへ山羊飼いのペーターがやってきた。山羊の群れも一緒だ。
「おはよう、ペーター!」
「ああ、ハイジか。おはよう」
「なんだか元気がないのね」
「そんなことないよ」
二人はいつものように、山羊たちと高原に向かった。ペーターは終始無言であった。
「ねえペーター。ほんとに何かあったんじゃないの?」
「ああ。実は、ユキがな……ユキが、つぶされちまうんだ!」
ユキはペーターが預かっている小さな白い山羊で、ハイジもペーターもユキのことが大好きだった。
「なんで!? なんでユキがつぶされなきゃならないの?」
「いつまでたっても乳が出ないからさ」
「だからといって殺さなくてもいいじゃない! 何とかならないの?」
「ユキは俺たちの持ち物じゃないからな。しかたないんだ」
「ひどい、ひどいわ!」ハイジは泣きじゃくった。

ハイジはその夜、おじいさんに何とかならないか聞いてみた。
「ふむ……方法がないことはないが、今ごろあれが手に入るかなぁ」
次の朝、おじいさんは濃い色の小さな草をハイジに見せた。
「これをたくさんユキに食べさせれば、あるいは乳が出るようになるかも知れん」
「わかった!」
ハイジとペーターはその日から、その濃い色の薬草を探してユキに食べさせることにした。しかしその草はなかなか生えておらず、ときには危険な崖から手を伸ばし命がけでその草を採ることもあった。毎日ユキを励ましながら、二人は貴重な薬草を食べさせ続けた。

一週間ほどたったある朝。
「やったー、ユキが、ユキが乳を出したんだ!」ペーターが叫んでやってきた。
「やった、やったわね! これでユキは助かるのね!」とハイジ。
おそるおそるハイジはユキの乳を搾ってみた。まだ量は少ないが、ちゃんと乳は出る。ハイジは感激し、目を潤ませた。「なんて素敵なの」

次の日。ハイジはおもむろにペーターに言った。
「わたしも乳を出したいわ」
「なんだって? ばっかだなぁ、出るわけないじゃないか」
「だって、あの小さなユキでも出したのよ。わたしもあの草をうんと食べたら、乳が出るかも知れないわ」
「ハイジは人間だから無理だよ」
「人間だって大人の女の人は乳を出すじゃない」
「ハイジは子供じゃないか」
「ユキだってほとんど子供よ」
「人間は、こどもができなきゃ乳は出ないよ」
「こどもってどうやったらできるのよ」
「そんなこと教えたら、俺、おんじにぶん殴られらぁ」
「とにかくわたしは乳を出したいの!」
「ハイジが乳を出したら、それこそぼこぼこに殴られそうだ。貴様ハイジと寝たのかって」
幼いハイジには訳がわからなかった。ユキは草を食べただけで乳が出たのに、わたしが乳を出したらペーターと寝たことになるの? ひょっとして、ペーターはユキとも寝たのだろうか。おじいさんに聞いてみよう。

ハイジは夕食の時間、おじいさんに言った。
「ペーターと寝たらわたしも乳が出るようになるの?」

翌朝。山羊の群れを連れてきたペーターをおんじは待ち構えていた。おんじはいきなり胸ぐらをつかんでペーターをぶん殴った。
「貴様ハイジに何を教えた」
「俺、何も教えてやしないよ」
「嘘をつけ。ユキの乳の話が出てから、ハイジはわしとお前にしか会ってないんだぞ。話の出所はお前しかないだろうが」
「ご、ご免よ」
「いいか、まんいちハイジが乳を出すようなことがあったら、切り刻んでソーセージにしてやるからよく覚えておけ」
「わ、わかったよ」
ペーターは思った。つくづくこういう田舎は嫌だ。何があっても自分が犯人だとバレてしまうし、犯人でなかったとしても犯人にされてしまうのだ。この辺りでいきのいい男といえば自分しかいないのである。自分が犯人でないとすると矛盾が生じるということだ。小学校で習ったっけ。矛盾。背理法。
あー、都会に行きたい。ペーターはそう願わずにはいられなかった。


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No.364
2010/10/24 (Sun) 09:27:05

このあいだTVの「開運なんでも鑑定団」を見ていたら、鑑定品として土偶を持ってきた人がいた。あの有名な遮光器土偶である。それは最近作られた偽物とのことだったが、もし本物なら国の重要文化財として指定を受け、値を付けるなら十億円以上だという。自分も山にでも行って土偶を探してみようか。宝くじの一等を当てるよりは簡単な気がする。皆さんも土偶を探しに行きませんか。

自分は年齢的に、年下のものに食事をおごるということがしじゅうあってもよいはずだが、おごるということが何か相手を軽んじることのような気がして、ご馳走しますよとはなかなか言えない。タテ社会で先輩からおごられてきた経験があまりないからかも知れない。相手を「ご馳走する」ためのうまい言葉はないだろうか。
「他の事ではあなたにはかなわないから、せめて先輩づらさせてください」
「ゴート札で払うから気にしないで」
「これは丑寅からふんだくった金だから遠慮は無用だ」
うーん、他に良い言い方はないか。

火事場の馬鹿力というが、消防士は年中馬鹿力なのだろうか。消防士は案外洪水のときに馬鹿力を発揮しそうな気もする。

数学では単純な石とりゲームなどを考察することがよくあり、先手必勝、後手必勝などという言葉が出てくる。後手必勝のゲームだと、先に手を打ったほうが必ず負けるのである。そういうゲームだとどちらも先に手を出すことができず、いつまで経っても始まらないかも知れない。その昔、アントニオ猪木とマサ斎藤が巌流島で決戦を行なったが、宮本武蔵の故事では、遅れてきたほうが勝つことになっている。だからどちらも約束の時間を過ぎても巌流島には来ない。けっきょくマサ斎藤のほうが四時間、アントニオ猪木が六時間だったか遅刻し、猪木のほうが勝ったのだった。これをTVで観て、子供ながらに馬鹿な大人たちだと思った。


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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209ブログ引っ越しました。

 ☠ 杏仁ブルマ
セカイノハテから覗くモノ 



 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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