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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2025/04/05 (Sat) 03:21:53

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No.322
2010/07/20 (Tue) 14:59:04

久しぶりに煎餅の「ぱりんこ」を食べた。これをフランス語に訳せば「パリジェンヌ」または「パリジャン」となるのだろうか。ぱりんこにパリのイメージはないけれど。

映画の「ランボー」シリーズが流行っていたころ、「ランボー地獄の季節」という映画があった。詩人ランボーについての映画かと思うが、スタローンのアクションものと間違えて見に行った人も少しはいたかも知れない。そして帰還兵ランボーの意外な詩才に驚いたかも知れない。あと「鉄腕アトム」と間違えて「鉄血宰相ビスマルク」という本を買ってしまった人の話も聞いたことがある。

人間は考える葦である。だから葦は考えない人間である。むかしアッシー、メッシーなどという言葉が流行ったが、じっさい彼らは何も考えていなかったのかも知れない。

ではいつもネスカフェを飲ませてくれる男性はネッシーだろうか。

スパイ大作戦にならって蘇梅大作戦(そばいだいさくせん)。宋代の詩人蘇舜欽と梅尭臣が大活躍するドラマである。誰も見ないだろうな。

電車の中でエクトプラズムが口から出てきたら、喫煙者と間違われて注意を受けるだろうか。

Amazonがこの間までオリビア・ハッセー主演の「青い騒音」をしつこく僕に薦めてきたが、最近は「女囚帝国・陵辱エロチカ」という映画を薦めてくるようになった。そんなにエッチな映画を検索していないのにである。しかしこの「女囚帝国」は七人が点をつけて星4つ半だから、相当面白いのだろう。


(c) 2010 ntr ,all rights reserved.
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No.321
2010/07/09 (Fri) 21:05:38



涼陰荷氣淨
月上晩鴉翻
玉笛横銀漢
靑天古帝魂

涼しいこかげに はすのきよらかな香りがただよい
月がのぼると 夕暮れの鴉は身をひるがえらせ巣に戻る
どこからか 笛の音が鳴りひびき 空には天の川が横たわっている
青く広がる夜空には いにしえの王の魂が宿っている


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No.320
2010/07/07 (Wed) 20:21:24

緑川蘭三の父は、自分の息子が吸血鬼であることを知っていた。蘭三が幼いころから、近所の犬や猫を捕まえては物影で血を吸っているのを目の当たりにしてきたのだった。だんだんと蘭三は小動物の血では満足できなくなり、十歳のころ、近くに住む三歳の女児に噛みつき怪我を負わせた。父親は悩み、息子を医師に診察させた。
「この子は動物の血を吸うことでしか、生きるために必要な養分を摂取できない体のようです……それもできれば人間の血が必要なようです。また野生動物のように、新鮮な人間の血を吸わなければ満足出来ないのでしょう。できる限りの治療はします。しかしこういう病気はまだ未知の領域で、完治する保証はできかねます……」
蘭三は投薬治療を受けたが、動物の血を吸わずにいることが大変な苦痛のようだった。彼はしばしば高熱を発した。
「暑い、暑いよ! なんとかして!」
蘭三の両親は、息子の苦痛を和らげようと氷水を張った風呂に彼を入れたが、それでも蘭三は苦しみ続けた。肉屋などから手に入れた動物の血も与えたが、人間の生き血を飲まなければ彼の苦しみはやまないようだった。幾日も幾日もそんな状態が続き、ついに両親は息子が苦しまないで済むのならと、公園で小さな子供を誘拐し、その血を彼に与えた。それ以来、蘭三は自由に行動するようになり、定期的に子供を襲ってはその血を吸うようになったのだった。
斬獄学園に入学したあともその習慣は続き、蘭三の正体はまもなく体育教師の富沢の知るところとなった。刀剣収集家であった富沢は異常性格者で、かねてから人間で名刀の試し斬りがしたいと思っていたが、緑川蘭三をそれに利用しようと思いついた。蘭三が血を吸った人間を富沢が斬る、あるいはその逆の順序で殺人が繰り返された。富沢の子分である後輩の藤堂も、まもなくその犯行に加わることになった。
都合のいいことに、緑川蘭三はまれにみる秀才だった。とくに人間の血を吸った後は抜群に頭脳が明晰になり、定期テストでは常に全科目満点を取った。進学実績を伸ばしたい学校側は、緑川の異常な行動を大目に見た。校長や教頭は、彼が吸血鬼である疑いがあるのを知っていたが、野放しにし続けたのである。

夏休みもなかばになってしばらく何事も起こらず、猟奇殺人の噂もしだいに人々の口に上らなくなっていった。しかし数学科の教師でありサッカー部の顧問であった新任の青柳狂平には、吸血鬼すなわち緑川のことが心から離れなかった。彼の腹に出来た人面疽がときどき吸血鬼のことをささやくせいもあった。相変わらず職場では腹に包帯を巻き、人面疽のことは他人に知られないようにしていたが。
職員室で席が隣の、英語科の溝口礼子は、よく言葉を交わす相手だった。溝口は教師二年目で、青柳の一年先輩に当る。彼女とは、緑川の様子がおかしいことも、ときおり話していた。しかし緑川が吸血鬼であって一連の猟奇殺人と関わりがあるらしい、とまでは話さなかった。ことが重大すぎて、おいそれと口にできる話題ではなかった。
しかし八月のなかば、またも吸血鬼の被害者が出たのだった。そしてその被害者は、溝口が担任を勤める一年B組の女子生徒だった。公園の茂みで発見された遺体は、背中を鋭利な刃物で斬られ、全身のほとんどの血を失っていた。これまでと同じ手口である。
対応に追われ、心を痛めていた溝口に、青柳は自分の知っていることをすべて告げることにした。吸血鬼などあまりに荒唐無稽な話だが、青柳は真剣な口調でこれまでのいきさつを語った。溝口は非常に驚いたが、やがて気丈に言った。
「いいわ。たとえ校長を敵に回すことになっても、緑川君のことは私も協力する。……でも一連の被害者の、刀での切り傷のことは説明がつかないの? 私、まさかとは思うけど、そのこともちょっと心当たりがあるの」

そのとき、いつもの冷水浴をしながら、緑川蘭三は徐々に体に生気がみなぎってくるのを感じていた。血を洗い流した浴槽の水は赤く染まり、蘭三は陶然となって目の前に広がる血の色を見つめていた。蘭三の母親は、その様子から息子がまた罪を犯したことを知り、暗澹たる気持ちになった。こんなことは、いつかやめさせなければならない。いつかは……。

(つづく)


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執筆陣
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快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
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