『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.187
2010/01/15 (Fri) 16:59:32
土曜日、学校に出勤してしばらくたつと停電があった。コンピュータの電源は落ち暖房は止まり、内線電話はかからなくなった。トイレの洗面台の、自動で水が出る蛇口からは水が出なくなった。
高二の授業をしに教室に行くと照明がなく薄暗いから、黒板の字が見えるか一番後ろの生徒たちに聞いてみた。「××さん、見える?」「見えません」「○○くん、見える?」「見えません」。いや実は彼らには見えているのだが、授業を受けたくないものだからそう言っているのである。僕がそれを確かめに教室の後ろに行こうとすると、ある女子生徒に足を引っ掛けられ転びそうになったからその生徒をひっぱたき、とにかく後ろに行くと黒板の字は見える。そこで授業を始めた。微積分の話で、この分野はいやというほど大学でやったから、教員の経験は浅いがほとんど何も見ずに授業ができる。しかしこういう数学の基本は、どうやったら教科書と違うように出来るかわからず、やはり教科書とそっくりな話の仕方になってしまう。いつもノートを取らずにかったるそうに授業を聴いている生徒がいて、そういうのを見るとなんとかオリジナリティのある話にしたいと思うのだが。
その授業中に電気が復旧し明りがついた。
そのあとの高一のクラスでは平面幾何をやっているから、上のような問題をプリントで配り、最初にできた生徒には平常点を3点やると言ったら大いに盛り上がった。他の先生もそういうことをやるようで、ある生徒は「この学校は平常点のバトルロワイヤルか?」などと言っていた。平常点は各学期ごとにつけられ20点満点だから、それが3点というのはけっこう大きい。つまり上の問題はそれぐらい難しいのである。50分の授業中にそれを解くのはまず無理である。何の気なしに他の数学の先生たちにもそのプリントをあげたら、みな頭を抱えてしまった。愉快愉快。
日曜はたくさん眠った。「大怪獣出現」という映画をDVDで観たが面白かった。カタツムリと同類の三メートルほどの化け物で、見た目が気味が悪く迫力がある。武器は鋭い歯だけだが、夜中に人間の不意をついて襲ってくるのである。
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目次
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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。
❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。
❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。
✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。
☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。
♘ ED-209 〜 ブログ引っ越しました。
☠ 杏仁ブルマ
セカイノハテから覗くモノ
我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。
※ 基本的に当ページはリンクフリーです。然し乍ら見易さ追求の為、相互には承っておりません。悪しからず御了承下さい。※
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