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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/21 (Thu) 19:27:06

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No.258
2010/03/26 (Fri) 11:53:53

頭痛がする。深夜に部屋でマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」を歌って踊っていたら、台所に泥棒がいた、という夢を見た。その泥棒は電気工事の作業服のような格好で、「朝日新聞のもんや」と言うから「ここで何をしている」と聞くと、「ひわみ、いや、ひよりみ(日和見)いうたらええかな」と訳の判らないことを言う。早々に帰ってもらった。その泥棒は五十歳ぐらい、背の高い赤ら顔の男で、考えてみたらこの世代、失業者が多いのかも知れないな、などと思いながら目を覚ました。悪夢を見て頭痛がするのはたぶん、目覚ましの薬を飲んですぐに寝るという矛盾した行動を取ったせいだと思う。下剤と下痢止めを同時に飲んでもきっと具合が悪くなるだろう。

テレビに大江健三郎が出ていて、子供のころの話をしていた。少年時代本ばかり読み、出歩かないし家の仕事も手伝わないから、親が心配していた。ある日大江少年は、公民館にある本を全部読んだ、と母親に言った。母親はさっそく彼を公民館に連れて行き、二百冊ほど棚に並んでいた本を手当たり次第に取り出し、「この本の書き出しを言ってみなさい」という。最初は漱石の『坊ちゃん』で、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」とこれはすらすらと言えた。次は同じく漱石の『それから』で、その書き出しは言う事が出来なかった。すると母親は「お前は本ばかり読んで、それでものを覚えようとしているのか、それともものを忘れる能力を養おうとしているのか」と言った。大江少年はそれ以来、特別に集中して読書するようになったという。
自分はその話を聞いて、本の山にうずもれて暮らしているのが非常に無意味なことに思われだし、すこし暗然とした気分になった。

まあ本をたくさん所蔵してみると、それらをいちいち通読しなくとも、拾い読みしているだけである学問分野の全体像がなんとなく掴めたりして、耳学問的な素養がやしなわれたりするのにこのごろ気付いたのだけど。

しかし「公民館にある本を全部読んだ」を変換するときに思い出したのだが、このPCは「ぜんぶ」をまず必ず「前部」と変換する。今後もし頭の前部が禿げ上がってきたら、必ずや強烈な嫌味となることだろう。

そうそう、欲しかった亡父の建築設計事務所の看板が、Uビルから取り外され、取りに来るように言われている。つい忘れがちになるから備忘のためにタイトルにしておこう。


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快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

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