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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/21 (Thu) 19:47:18

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No.335
2010/08/18 (Wed) 01:20:01

18××年、三人の科学者を乗せた気球が、人類未踏の地であった北極への探検を敢行していた。しかし極地についてみると、小さな島の上に、明らかに人工と思われる基地が建てられていた。気球が制御不能になり、探検家たちはその基地の住民によって救われた。その住民たちは実は火星人だった。北極上空に宇宙ステーションが建造されており、そこは火星地球間航路の地球駅となっていたのだ。火星人たちは男性が白髪であるほかは、おおむね地球人とそっくりだった。火星語も難しくなく、探検隊員たちは火星人たちと親交を結んだ。実は火星人は何十年も前から地球に訪問しており、第一次地球探検の隊長であったアルは、ドイツで地球人女性と結婚し、エルという子をもうけていた。やがて探検隊員ら数名の地球人が火星を訪れたが、その出発の際、英国海軍と不運な武力衝突を起こし、それが火星人が地球人を危険視する火種となった。

やがて火星は英国と戦争状態になり、容易に勝ちを収め、ヨーロッパ各国は火星の北極での主権を認めるようになる。火星人は個人の自由の尊重、平和主義を旨とする種族だったが、地球人とりわけヨーロッパ列強の好戦的態度に直面し、地球人を火星のよりよき道徳心で導こうと考え、それはやがて火星人の武力を背景とした強制的な教化になっていった。地球人の間には、火星の文化を取り入れつつもその圧制から脱しようという機運が高まっていく。

火星の女ラーと地球人探検家ザルトナーとの恋、火星人と地球人との混血児として火星の重要人物となっていくエルの苦悩などが生き生きと描かれている。火星の重力が地球の三分の一しかないことからくる両惑星人の接触の困難さは、重力調節装置によってほぼ解決される。宇宙船が超光速を実現する手段として「宇宙エーテルの爆発」を利用するというのは、アインシュタイン以前の小説としてはやむえないところか。

1897年に出版されたドイツの小説。ヴェルヌ、ウェルズ以前に発表された画期的なSF作品だが、古きよきヨーロッパの風俗も垣間見える楽しい小説。

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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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