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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/21 (Thu) 19:19:02

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No.407
2011/02/07 (Mon) 11:06:52

 二月一日。学校全体がマラソン大会で、授業がないため自分は休暇。

 毎月一日は映画が安く観られるということで「武士の家計簿」という作品を観に行った。
 算用者すなわち藩の経理係として、加賀藩・前田家に仕えた猪山家の物語。
 猪山直之(堺雅人)は父の跡を継いで算用者として出仕するようになったが、会計の計算に対する異常な打ち込みぶりは同じ算用者からも「ソロバン馬鹿」と仇名されるほどだった。お駒という妻(仲間由紀恵)を娶り、跡取りとなる子どもも生まれた。

 折からの飢饉のため、藩から救済米が出されたが、二百石のはずが百五十石ほどしか民衆に届いていなかった。それに気付いた庶民は怒った。それが直之の耳に入り、救済米に関する帳簿を徹底的に調べ上げ、何者かが横領を働いていることを突き止める。ただ藩の巨悪に下っ端役人の直之が立ち向かうのは無理であり、一時は能登に左遷されかける。しかし庶民が騒動を起こしたことに端を発して横領の罪が露見し、かえってその事実を突き止めていた直之は異例の出世をすることになる。

 と、役職上は出世してめでたい話なのだが、猪山家の家計は代々の借金もあって風前の灯だった。直之は猪山家の金目のものをほとんど売り払い、すさまじい倹約の日々が始まる。
 直之の父も息子もどちらかというと普通の人物だったが、祝いの席で客の膳に絵に描いた鯛を出したり、倹約のしすぎでしじみの貝殻を碁石の代わりにしたりと、直之だけが突出した変わり者だった。猪山家三代を描いているが、おおむね物語は直之によるソロバン馬鹿一代といってよかろう。直之の祖母(草笛光子)が「塵劫記」に読みふけっているシーンなども面白かった。
 
 二月二日。一時間目は中学一年の数学で、いつもにぎやかなクラス。みな先を争って発言したがり、問題を出したらすぐ答えを言おうとする。その代わり誰かがつまらぬ発言をすると、他の誰かがそいつを罵倒する。
 今日は皆があまりに罵り合うから「お前ら今から運動場に出て決闘するか? いつまでもぐだぐだ言うてんと決着つけえ!」と言ってみたら静かになった。
 三時間目、高校一年の数学Ⅰ。昨日のマラソンの疲れからか、教室全体が適度に静かで授業しやすかった。中学もマラソンしたはずなのに、この元気の差はどうしたことだろう。
 四時間目、教科会議。二月十一日の祝日に出勤できるかと聞かれたが、できないと答えた。その日は映画「洋菓子店コアンドル」の初日だから。

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執筆陣
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快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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