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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/21 (Thu) 18:09:01

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No.439
2011/07/09 (Sat) 12:19:12

 「トリフィドの日」で知られるウィンダムの作品。
 原水爆戦争で文明が壊滅的被害を受け、そのご長い年月がたった時代の物語。舞台は北米のどこかで、人々は科学を失い原始的な農耕生活を送っていた。自動車も飛行機もなく、「むかしの人間」がそうしたものを持っていたという断片的な記憶がかろうじて言い伝えられていた。
 主人公の住む地域は、そうした中でも比較的快適な、文明化された地域だった。しかし、そこでは核戦争以後ひんぱんに見られるようになった動植物の奇形、すなわち「偏奇」を忌み嫌う傾向が極端に強かった。彼らは「人間の定義」として語り伝えられる「人間とは手を二本、足を二本持ち、手足の先にはそれぞれ五本ずつ指があり……」という文言を非常に重んじ、それと少しでも異なる部分のある新生児は、生まれてすぐに殺されるのだった。彼らにしてみれば、「偏奇」は悪魔の人間世界への介入なのである。
 主人公は、テレパシーを持った少年だった。他にもその能力を持った少年少女が数名おり、たえずテレパシーによる交信を行っていたが、それが周囲に明るみになればミュータントとみなされる危険が高かった。テレパシー能力を持つ子供たちは、やがて大人たちに正体を見破られ、抹殺されそうになり「偏奇」な動植物で満ちあふれた辺境の地「フリンジ」へ逃亡を図る。そんなとき、少年たちははるかかなたのニュージーランドからテレパシーを受信する。そこでは皆がテレパシー能力を持ち、自由で豊かな生活を送っているというのだ。
 追いすがる大人たちに捕まる寸前で、そのニュージーランドから見たこともない飛行物体が飛来し、摩訶不思議な武器を駆使して少年たちを救う。
 
 人間はテレパシーのように心を通じ合わせなければ、どんな精巧な文明を築こうとも争いや殺し合いを免れぬ存在である、というニュージーランド人のメッセージは普遍的な意味を持つものだろう。文明的に退化した結果、動植物の「あるべき姿」に極端にこだわるようになった人間の姿はリアルで恐ろしい。

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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209ブログ引っ越しました。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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