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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/24 (Sun) 19:43:38

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No.75
2009/10/16 (Fri) 04:00:38

秋夜

孤館西窓燭
候蟲楓樹林
雨苔秋月下
霜菊一瓶金
星彩微瀾起
客愁玉漏沈
長風來雁叫
燈影憶人心

一軒の旅籠の 西向きの窓辺に灯るともしび
季節の虫が楓の林で鳴いている
雨に湿った苔が 秋の月に照らされ
霜の置いた菊が 瓶の中で金色に輝く
星々のあやに さざなみが起こったように見えたのは
旅人の目が涙でにじんだせいか 夜は静かに更けていく
遠くからの風に乗って 雁の声が聞こえてきた
燈火のかげのもと 人を慕う心がわきおこる

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
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No.74
2009/10/16 (Fri) 03:58:20

雲中舞
  ラヴェルの「ラ・ヴァルス」を聴いて

翠蛾妍麗舞廻旋
雅韻如霞到暮天
玉笛悠悠雲外響
銀箏整整月中鮮
香魂擾擾遶鳳闕
魚化茫茫没遠烟
畫燭催詩兒女散
醉餘淸嘯十三絃

みどりの眉の美しい女たちが、廻りつつ舞を踊り
雅な響きが、霞のごとく暮れがたの空に満ちわたっている。
笛の音は悠々と雲の彼方に響きわたり
ことの音は整然と、月に映えるかのように鮮やかに鳴っている。
宮女たちの魂がみだれるように宮城をめぐってただよい
龍はその巨大な体を遥かな霞の彼方に没した。
彩り鮮やかな蝋燭のあかりの中、ひとびとは自ずと詩を詠じ、いつしか子どもたちは宴の場からいなくなった。
酒に酔いつつ、十三絃のことを調べながら、声を清らかに長くのばして歌うひともいる。


「ラ・ヴァルス」の楽譜には、この曲の説明として次のようなことが書かれているそうです。

「うずまく雲の切れ目から、ワルツを踊るカップルの姿がときおり垣間見える。雲は少しずつ晴れてくる。スコア番号Aのところで、輪を描きながら踊る人々であふれかえる広間が見える。光景はますます明るくなってくる。シャンデリアの光はスコア番号Bのフォルティッシモのところで燦然と輝く。1855年ごろの皇帝の宮廷」

上のつたない漢詩は、この説明を少しだけ意識して作ってみました。

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
No.73
2009/10/16 (Fri) 03:55:33

牧笛  
    ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」を聴いて

長空蘆笛暗飛聲
妙曲天涼雲漢傾
紫蝶舞風星在水
靑蛙帯夢月臨城
湘靈鼓瑟荷花睡
炎帝奏笙巣燕驚
雅韻悠悠神骨浄
賞心渺渺過三更

はてしない大空を見上げていると 葦笛の音が響いてくる
その妙なる曲の調べが 涼しげな天空に広がり 天の川は傾いていた
紫の蝶は風に舞い 星は水辺に映っている
青い蛙は夢心地になって 月は城に臨んで差し昇った
舜帝の二人の妃の霊が 瑟(おおごと)を鼓し 蓮の花は眠っている
夏の神が笙を奏し ねどこにいる燕は驚いた
雅な調べが悠々と鳴り 心身を清らかならしめる
楽の音をいつくしむ心が遥かにのび広がる そんな真夜中のこと

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

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