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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/23 (Sat) 22:45:25

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No.283
2010/04/18 (Sun) 12:14:06

未来世界。世界は、保守的なリー(リアリストの略)と、現実的なものすべてを否定するヴァイクの二つの政治勢力に分かれ、二つの派が互いにしのぎを削っている。主人公のヴァン・ブラントはヴァイク派文学の版権代理会社(作家の利益を代表して出版社と交渉するマネージャー業)を営んでいる。彼やその身の周りにいる秘書、ヴァイク派の作家たちは、すべて典型的なヴァイク的生活を送っている。すなわち、日常的な麻薬の摂取(セックスより麻薬の刺激をよしとする)、過度に皮膚を露出した服装、高度なヴァーチャル・リアリティによる映画(センソー映画)への耽溺。リーたちはそれに反し、快楽に背をむけ、基本的に禁酒・禁煙、肌を隠す服装をし、現実に目を向けた文学を標榜していた。ヴァン・ブラントとリーの代表格であるディノ・ペラジとの対決を軸に物語は進んでいく。

ヴァイク派の不健康な日常、リーたちの懊悩が、迫力を持って描かれている。

ハヤカワ・ポケット・ブックSFレビュー~総合索引へ戻る
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No.282
2010/04/18 (Sun) 00:44:21

僕は気分の浮き沈みが比較的激しく、よほど調子の悪いときには人前に出て行くという元気がなくなってしまう。だから教員など本当は向いていないのかも知れない。昨年度は数回、元気の不足で休んだ。
しかし気分が高揚しているときでも、「怒る」という感情はあまり湧いてこない。怒りが湧いてくるとしても、人よりかなり遅れて湧いてくる。
極端な話、「人を殺したい」と思ったことはほとんどない。誰だってそうかも知れないが。

編プロ時代の社長が僕を毎日いじめていたとき、他の社員に「もし俺が明日殺されていたとしたら犯人は誰やと思う?」と冗談交じりに聞いた。その社員は「中村君(僕)ですね」と答えた。僕は内心「この社長アホと違うか」と思ったものだ。こんなくだらんオッサンを殺して罪に問われ、犯罪者になるなど馬鹿らしいにもほどがある。このオッサンには自分の人生を台無しにしてまで消してしまうほどの価値もない、そう思った。

カッとしやすい人というのは世の中にいるもので、そういう人が殺人の多くを起こしているのではあるまいか。よく夫婦喧嘩の末に夫が妻を殺したという事件が報道されるが、人をカッとさせる言葉が思わず口から出てしまう、というのはどちらかというと女性に多いから、そういう被害に遭うのだろうといつも思う。夫婦関係について一概にどうのこうのとは言えないものかも知れないが。

「自殺したい」というのは、これもほとんど思ったことがないが、一度だけはっきりとある。それは転職しようとしてなかなか上手く行かず、貯金がどんどんなくなっていったとき。
実際にホームレスになる前に死にたいと思うなど、今にして思うと人間って弱いなと思う。

―*―*―*―*―*―*―*―*―*―

通勤の途中にある家に飼われている大きな犬が、いつ見ても檻の中にいて可哀そうだ。何も悪事を働いていないのに監獄の中にいるのは理不尽だ。犬から観ると毎日ネクタイをして働きに行く僕のほうが可哀そうに思えるのかも知れないが。

さいきん男性の脱毛の広告をよくネットで見かけるが、なぜだろう。髭など永久脱毛してしまえば剃る手間はたしかに省けるが、いつか一度は伸ばしてみたいとも思うのである。
それはそうと女性の眉毛は自然なままだと不自然なほど太くなるのだろうか。

『マタ・ハリの日記』というポルノ小説を読んだことがおありだろうか。小説というより、マタ・ハリの自伝ということになっている。これがどこまでがマタ・ハリの妄想でどこからが真実なのかよく分からない、ちょっと面白い本だった。少女時代のマタ・ハリはインドの寺院で暮らしており、体が成熟してくると寺院の広場で仲間たちと一緒に性の修行に励むのである。それがいきなりヨーロッパに場面が変わり、ティーエージャー時代を平凡な中流家庭で暮らしていることになっている。その後、売春婦になったり人妻になったりしているが、嘘っぽい話と本当らしい話が混在していて、どうも自伝としての体をなしていないのだ。


(c) 2010 ntr ,all rights reserved.
No.281
2010/04/18 (Sun) 00:42:40

詩人

銀燭煌煌淡墨乾
篆香紫散夜闌干
吐金閑冩薫風裏
白水似眠春夢殘

燭台の灯りは煌々と明るく 薄い墨は乾いてゆく
香のけむりは紫色に散じて 夜更けになった
詩人は金のごとき詩句を生み出し 静かに書きとめ かおりのよい風が吹く
春の水はまるで眠っているようで そこには見残した春の夢がただよっている


僕は金のごとき詩句を生み出しているとは限らないので、「詩人」というのは「どこかの詩人」という風に読んでいただいたほうがよいです。


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執筆陣
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快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209ブログ引っ越しました。

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セカイノハテから覗くモノ 



 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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