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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/11/24 (Sun) 12:43:04

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No.129
2009/11/09 (Mon) 22:34:59

しばしば長文を書くけれど、自分はどちらかというと無口なほうで、ふだん実際に顔を合わせている人が僕の日記を見ると、あるいはギャップを感じるかもしれない。ふだん無口な理由として

・頭の回転が鈍いため、その場に適した発言を即座にはできない。
・基本的に物の考え方が邪悪かつトンチンカンで、思っていることをそのまま口に出すとえらいことになる。
・口を開くのが面倒で、気まずい沈黙が訪れない限りは、人が喋っているのを聞いているほうが楽だ。

といったことがある。回転が悪く勘が鈍いのは、さらに掘り下げた理由として「テンションが低い」ということがある。僕は生まれてこの方、口喧嘩というものをほとんどしたことがない。人に不快なことを言われても、だいたいポカンとしている。言われてからだいぶ時間が経ってから、自分が不愉快なことを言われたことに気付いてカチンときて、さらに二時間ほど経ってから「あのときこう言えば相手をへこますことができたのに」と思いつく。たまには喧嘩もしてみたい。

一方何か考えたとしても、その内容はたいてい邪悪あるいはトンチンカンなもので、口を開くときにはよくよく注意しなければならない。頭の中から湧き出たものをよく常識と照らし合わせて、理性の検閲にかけてから口に出す必要がある。鈍い頭でそういう作業をするから発言にも時間がかかる。だからネット上でも、いわゆるチャットということをするのは難しい。

携帯メールでもミクシィでも、大変なスピードでレスをくれる人が結構いる。長文の日記を書いてアップしても、「足あと」がついてからものの数分でコメントをくださる方がいて「いったいどうやってそんなに早く」と驚愕する。それもきちんと読んでくださった上での的確なコメント。僕にはそんなことはとても不可能だ。「文面はキーボードを打つ指先で考える」という人もいるが、僕はどうやっても脳でしか考えられない。また脳から発せられた信号が神経を伝わって指先に到達するのも、人様の倍ぐらい時間がかかっているような気がする。

昔見た恐竜図鑑で、「ステゴザウルスは尻尾を叩かれても、神経が鈍いから痛みを感じるまで三秒以上かかる」というのを読んで「へー」と思ったが、僕の神経の情報伝達速度もおそらく恐竜なみだ。スピード化の著しい現代、これで生きていけるのかとても不安だ。

ところで以前『ゾウの時間ネズミの時間』という本がベストセラーになったことがあった。読んではいないけれど新聞の書評を目にした限りでは、概ね次のようなことが書かれているらしい。つまりネズミのような小動物はチョコマカすばしこく動き回ることができるが、生命エネルギーを使い果たすのも早くて寿命も短い。一方ゾウなどは、のっそりとして動きも鈍いが、エネルギーを使うのもゆっくりで、そのぶん長く生きることができる。
そういう考え方をすれば、恐竜のような僕は皆さんよりだいぶ長生きするのかも知れませんねアハハ。


以下、映画「恐竜100万年」のレビューにお付き合いください。

原始時代の人間と恐竜との戦いを描いた1966年のイギリス映画で、当時の代表的なグラマー女優だったラクエル・ウェルチの主演。ウェルチをはじめ、皮のビキニを着たプレイメイツのような金髪美女がたくさん出てきて海辺でたわむれ、果たして原始時代にこのような光景があったろうかという非常なる違和感。いやそもそも恐竜時代に人間はいなかったわけで、設定そのものからして純然たるファンタジーである。CGではなく、コマ撮りによって恐竜の細かな動きを表現する、レイ・ハリーハウゼンの見事なSFX。翼竜にわしづかみにされ泣き叫ぶウェルチ。子どもは恐竜に胸ときめかせ、大人は金髪美女から目が離せないという家族みんなで楽しめる作品。つっこみどころ満載の映画であり、ご覧になったことのない方は是非。

(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
No.128
2009/11/09 (Mon) 22:31:40

"Blue Moon"という歌はいろんな人が歌っているようだが、僕は女性ジャズ・ヴォーカルのジュリー・ロンドンによる録音が好きだ("Julie is her name VOL.2"というアルバムに所収)。プレスリーの歌ったものがとくに有名らしいけど、それはちゃんと聴いたことがない。

歌詞が気になってネットで調べてみた。

BLUE MOON
作詞:Lorenz Hart 作曲:Richard Rodgers

Blue moon, you saw me standin' alone
Without a dream in my heart, without a love of my own
Blue moon, you knew just what I was there for
You heard me sayin' a prayer for
Someone I really could care for

And then there suddenly appeared before me
The only one my arms will hold
I heard somebody whisper "please adore me"
And when I looked, the moon had turned to gold

Blue moon, now I'm no longer alone
Without a dream in my heart
Without a love of my own


青き月よ お前は俺が独りたたずんでいるのを見ていた
心に夢もなく 愛し合う人もいないこの俺を
青き月よ 俺が何故そこにいたのかもお前は知っていた
俺の祈りの言葉も聞いていた
それは俺が心底気づかうことのできる人への祈りだった

そのとき突然目の前に現れたのは
俺がこの手に抱くであろう唯一のもの
誰かがつぶやくのが聞こえた 「私を慕ってごらん」と
見るとそのとき 月は金色に変わった

青き月よ 俺はもう一人じゃない
心に夢もなく
愛し合う人もいないけれど


自分で訳してみたが、これでいいのかな。通常どんな日本語訳がされているのか全然知らない。
まず"without a love of my own"とあって、辞書で調べると"love"を「愛する人」のように使う場合、通常その相手は女性らしいから、歌の主人公は男性ととりたい。"care"は普通「気づかう」だろうけれど、この歌詞の場合「愛する」と訳してもいいものだろうか。

"And then there suddenly appeared before me"というのは何が現れたのだろうか。"please adore me"という誰かのつぶやきが聞こえたとあるが、"adore"は「神として(あるいは神のように)敬愛する」という意味らしいから、人間がそんなことをつぶやくのは変な気もする。月がつぶやいたとするとぴったりのセリフかも知れない。だから突然現れたのは「月」で、月に"please adore me"と語りかけられたような気がして孤独感が癒され、さらに金色に輝いて主人公の心に希望の光がさした、ということじゃないかな。
この読み方がいちばん筋が通るように思えるのだが、他の解釈も可能だろうか。

しかし英語を日本語に訳すのって難しいものだな。"a love of my own"など、単に「恋人」ではまずいような気もして、ぴったりした訳語が思いつかない。英語に詳しいかた、良い訳があったら教えてください。


こんな歌が気になりだしたのは、久しぶりに映画「狼男アメリカン」を見たからだった。この"Blue Moon"が、この映画のオープニング曲として使われている。1981年のアメリカ映画で、原題は"An American Werewolf in London"。僕ぐらいの年代の人で、この映画が強く記憶に焼きついている、という人は多いのではないだろうか。

題名のとおり、イギリスに旅行に来たアメリカ人が狼男になる、という話。二人の若いアメリカ人が旅行に来て、イギリスの片田舎を満月の夜に歩いていると、狼に襲われて一人は死に、一人は浅い傷を負って助かる。生き残ったほうの男は狼男になってしまい、満月の夜になると変身する(最初に襲ってきたのは実は狼男で、主人公はその血を受け継いだのだった)。手の平や背骨や顔が変形していくリアルな変身シーンは、当時ものすごいインパクトがあった。面白いのは重傷を負って死んだほうのアメリカ人が、見るも無残な傷をさらしながら時々主人公の前に現れるところ。「お前は狼男になって殺人を犯すようになるから、満月になる前に自殺しろ」と警告しに来るのだが、ゾンビのようなおぞましい姿なのに、あくまで普通のアメリカ人のように軽いノリでジョークを飛ばすあたり、かなり笑える。「ホラー映画なのに可笑しい」というのも、当時は画期的だったようだ。今度見直して初めて気付いたけれど、監督は「ブルース・ブラザース」のジョン・ランディスだったのだな。面白いはずだ。

同じ時期「ハウリング」という狼男映画もあったが、こっちはあまり印象に残ってないな。続編が何本も作られたようだから、あるいは面白かったのかも知れない。これもそのうち見直してみよう。


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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

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 ☃ ちゅうごくさるなし
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