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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
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No.251
2010/03/13 (Sat) 05:25:41

下記のフェルマーの小定理を証明することを目標に、代数の基本的な概念である群、環、体について話をしていこうと思う。

フェルマーの小定理
整数 x が素数 p で割り切れないとき、x^(p-1)-1 は p で割り切れる。


記号の準備 

Aが集合であるとき、a が Aの要素であることを a∈A とかく。
A と B が集合であるとき
A、B いずれにも含まれる要素全体からなる集合を A∩B で表し、AとBの共通部分という。
A、Bを合わせた集合を A∪B で表し、AとBの和集合という。
要素が一つもない集合を ∅ で表し、空集合という。
とくに A∩B= ∅ は、AとBに共通な要素が一つもないことを表す。
集合Aが集合Bに含まれているとき、AはBの部分集合であるといい、A⊂Bで表す。
A⊂B かつ A⊃B であるとき A = B であることに注意しておく。
集合Aに属する要素の個数を #A で表す。




G が集合であって、Gの要素 a, b に対し a∘bなるGの要素が定まるとする。
次の(1)、(2)、(3)が成り立つとき、Gは算法 ∘ に関して群をなすという。
(1) Gのどんな要素 a, b, c に対しても a∘(b∘c) = (a∘b)∘c ,
(2) e というGの要素があって、Gのどんな要素 a に対しても a∘e = e∘a = a ,
(3) Gのどんな要素 a に対しても要素 b が存在して a∘b = b∘a = e .

(2)のe をGの単位元という。(3)の b を a の逆元といい、a^(-1) で表す。
一般にGの要素a, b に対し a∘b = b∘a が成り立つとは限らない。

群Gの部分集合Hが、算法 ∘ に関して群となっているとき、HをGの部分群とよび、H<Gと表す。
HがGの部分群であるための条件は、Hの任意の要素k, h に対し
 k∘h∈H ,  k^(-1)∈H
が成り立つことである。
群Gの要素は無限にある場合も考えられるが、以下では有限個の要素からなる群(有限群)を考える。有限群Gの要素の個数 #G は、とくに Gの位数と呼ばれる。
以下算法の記号 ∘ は省略し、a∘b を ab と表すことにする。


ラグランジュの定理


Gを有限群とする。HがGの部分群であるとき、Hの位数 #H はGの位数 #G を割り切る。

証明 a∈G のとき集合 aHを
aH = { ah | h∈H }
によって定義しよう。b∈aH であるとき aH = bH であることに注意する。というのも、b∈aH であるならaHの定義によって b = ak となるHの要素 k がある。よって bH = akH = a(kH) である。ところで kとHの要素をかけ合わせればそれはHの要素になるから kH⊂H . 同じ議論によって k^(-1)H⊂H. この両辺に k を左からかければ H⊂kH. したがってkH = H となる。よって先ほどの議論に戻ればbH = akH = a(kH) = aH.
いま、pH と qH に集合として共通部分がある、つまり pH∩qH ≠ ∅ であるとする。このとき
pH∩qH にはある要素 r が存在する。r は pH の要素だから r = pg(gはHのある要素)と書け、またr はqH の要素でもあるから r = qh(hはHのある要素)と書ける。
このとき pg = qh だから右からh^(-1)をかけると pgh^(-1) = q . gh^(-1)はHの要素だから q = pgh^(-1) はpH の要素である。したがって上の注意から pH = qH となる。つまりもし
pH ≠ qH だったとすると、 pH∩qH = ∅ となるはずで、 pH と qH はまったく共通部分を持たないことになる。
以上のこととGの要素が有限個であることを考え合わせると、Gは互いに共通部分を持たないような分割
G = g_1H ∪ g_2H ∪… ∪g_mH
を持つはずである(ここではGはm個の集合に分割されている)。よって #H = n とすると、
#G = mn . つまり #G は #Hで割り切れる。   (証明終り)


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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


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