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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/04/20 (Sat) 15:42:56

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No.172
2010/01/05 (Tue) 00:05:16

清の張惠言という人の編、中田勇次郎という人の訳による『詞選』(麗澤社編集、弘文堂刊行)という本をだいぶ前に古書で買った。悲恋の詞が多く続けて読むのはしんどいけれど、訳の日本語が美しい。気に入ったものを二つばかり。


菩薩蠻  李白

平林漠漠烟如織
寒山一帶傷心碧
瞑色入高樓
有人樓上愁

玉階空竚立
宿鳥歸飛急
何處是歸程
長亭更短亭

ひろのの林はてもなく霞をこめて織る如く
寒き山々おしなべて心かなしきあさみどり
ゆふやみのいろ高樓(たかどの)にせまり
うきわれひとり樓上にあり

むなしくも玉の階(はし)にぞたたずめば
鳥はねぐらにいそぎゆく
きみがかへりぢいづかたぞ
長亭や短亭のみちはるけくも


生査子  牛希濟

春山烟欲收
天淡稀星少
殘月臉邊明
別涙臨淸曉

語已多
情未了
回首猶重道
記得綠羅裙
處處憐芳草

春山にかかりし雲の收まりそめて
そらあはく星まばらなり
ありあけの月明かりさす枕のほとり
しののめのあかぬわかれに涙こぼるる

かたりつくせど
こころはつきず
かへりみてなほかさねてぞいふ
忘れめやもえぎのきぬのもすそをひきて
ところどころの春草にあはれかけしを


不勉強にして知らなかったが、中田勇次郎という人は漢文学・書道史の研究で著名な人物とのこと。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E7%94%B0%E5%8B%87%E6%AC%A1%E9%83%8E


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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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