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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/03/19 (Tue) 15:22:06

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No.316
2010/06/20 (Sun) 15:35:53

舞台は原子力発電所。その電力の恩恵にあずかりながらも、放射能に対する恐怖から、周囲の住民から立ち退きを求める声が多く上がっていた。しかしそれは多くは地域住民の無知から発せられた声だった。
 
先見の明のある議員は発電所の味方をし、発電所の所長パーマーに、ある広大な農場の害虫を駆除できるだけの電力をまわしてくれれば、立ち退き案をにぎりつぶすことができると告げた。かくして多大の電力を大急ぎで生み出すべく、新しい方法で原子炉を動かすことになった。しかし、数名の人間が予想したように、その方法では非常に不安定で危険な物質「アイソトープR」が出てくるのだった。爆発を繰り返す転換炉、続出する怪我人。主人公のベテラン医師フェレルとその部下たちは、疲労困憊しながらも怪我人を必死に治療し続け、また技師たちはアメリカ大陸の半分を破壊する可能性のあるアイソトープRを無害化すべく努力をし続ける。

原子炉についてほとんど世間に知られていなかった1942年に書かれた作品。原子力発電所が数多く作られ、現実に事故も起きている今日においては、SFとしての道具立ては古びてしまっていると言える。しかし医師たちと技師たちの、放射能という怪物との息づまる死闘が生き生きと描かれ、小説としての面白さは決して古びていない。

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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209ブログ引っ越しました。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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