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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/04/23 (Tue) 15:43:18

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No.548
2012/02/21 (Tue) 04:03:12

 小学校のときA先生という面白い男性の先生がいた。ベテランで、担任などは持たれていなかったが、ちょっとしたレクリエーションの際によく僕らの相手をしてくれた。A先生は自称「ガンマー星」からやってきたガンマー星人で、本国での国民番号は1億2345万6789号だという。そして日本の未来の小学生についての予見を語った。
「お父さん、実は僕は、今度の修学旅行で火星に行くことになりました」
「そうか。達者で行ってこい」
 未来においてはそんな会話が普通になるであろう、と。
 また将来、地球の裏側まで行くのに飛行機を使う必要はなくなるであろう、とA先生は言った。どうするかというと、日本から垂直に穴を掘って、その穴が地球の中心を通って地球の裏側まで貫通するようにすれば、あとはゴンドラに乗ってその穴を落ちていけばよい。地球の中心までは重力で加速していき、中心を過ぎればそれまでの勢いで向こうの出口まで昇っていけるのである。しかし出口に着いたときに素早くゴンドラを降りなければ、それはまた地球の中心に向かって落下していき日本に戻り、そこからまた落下していくという永久運動から抜け出せなくなる。

 そういえば小学生のころ読んだ何かの本に、それと似た方法による新幹線の走らせ方が書かれていた。たとえば東京-大阪間なら、東京から大阪まで真っ直ぐなトンネルを掘るのである。地球は丸く、東京と大阪の間ぐらいでも、地表は球体の一部として膨らんでいる。つまりそのトンネルは、地球という球面上にある東京と大阪という二つの点をまっすぐ貫くように掘られる。そうすれば、そこを走る新幹線はもはや電力などの外部のエネルギーを必要としない。なぜなら東京を出発したその列車は、東京と大阪の真ん中の地点までは下り坂で加速していき、真ん中を過ぎたらその惰力で大阪までたどり着くのである。

 幸田露伴の「番茶会談」には、老人と子供たちの対話という形式で、世の中を良くする工夫や発明について多くのことが書かれている。その中で今日実現しているものとして例えば「常灯銀行」がある。銀行にお金を預けるのも引き出すのも、日中の限られた時間内に行なわなければならず不便だが、これを年中無休で行なえるようにしてはどうか、と語られているが、いまは誰もが知るとおりコンビニで二十四時間ATMが使える。また「単軌鉄道」というものが語られているが、これは従来のように車輪を列車の左右につけるのではなく、中央にだけつけることで、レールも一本で済んで経済的だというのである。今のモノレールがこれに近いのかも知れないが、しかし大阪のモノレールの料金の高さを思うと、決して経済的な乗り物とは言えなさそうだ。
 今日においても実現していない発明として「電力の無線送電」が語られているが、もしこれが実現すれば画期的だろう。遠くの発電所から距離を気にせず送電できるのだから、エネルギー問題の軽減にも大いに役立つはずだ。この技術の実現は難事だが、それについて語っている部分を少し引用すると「無線電力輸送のごとき大業は、出来るとしても一朝夕の事では無いが、既にこれを出来さうなことに考へるだけは考へ得て、そしてその企図に対つて力を注いで居る一英雄がある。それは米国人では無いが、現に米国に居るテスラとか言ふものである」とある。こんなところにニコラ・テスラの名前が出てきているが、存命中、遠く日本でも注目される人物だったとは知らなかった。

 いま自転車がパンクしていて、おそらくチューブも使い物にならないほど傷んでおり、修理代が高くつきそうだからずっと歩いている。「ドクター・スランプ」に出てきたスクーターのように、タイヤが無く宙に浮いて走る乗り物があれば、パンクしなくていいのにと思う。高校のとき物理の実験で、床との摩擦が生じない物体は等速直線運動をする、というのを確かめるのにエアー・パックというものを使った。これは軽い箱で下に向かって空気を噴き出し、そのためわずかに宙に浮かんでいる。横へはじくと床との摩擦が無いため、どこまでも等速度で移動する。この原理を使った乗り物が出来たらいいのにと思うが、実現は難しいのだろうか。

 アメリカの小学校で予防注射をしている場面がときおりTVに映るが、ああいう映像で見る注射器にはしばしば針がなくて、圧縮空気で薬剤を注入するようである。僕は大人になった今でも注射が大嫌いだから、ああいう注射器を使ってくれたらいいのにと思う。ところで自分が子供のころは学校でいっせいに予防注射をしたが、最近は予防接種を受けるかどうかは各家庭の判断にまかされているようだ。そうなったら僕は予防注射など受けなかったろうから、無理に注射してくれて良かったのかも知れない。しかし日本脳炎の予防注射の痛かったことと言ったら! だから針のない圧縮空気式の注射器も使われたことがあったらしいが、当時のその注射器は神経線維を傷つけることが多かったらしく、日本では使われなくなったらしい。

 ドラえもんの道具で何が欲しいか、という話によくなるが、僕はとりあえずパーマンに出てくるコピーロボットが欲しい。赤い鼻のボタンを押すと本人の身代わりになってくれるロボットである。そしてそのコピーロボットには仕事に行ってもらう。まあ平凡な望みではあるが。

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快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

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 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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