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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/04/19 (Fri) 23:48:37

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No.546
2012/01/28 (Sat) 11:39:00

 昨日、代々木から新宿あたりを営業の合間にブラブラしてたら、紀伊国屋で「西部警察PART 1」のDVD?ブルーレイ?ボックス発売記念で予告編を流していたのにハマって見続けてしまった。
 やはり、この時代の実写の凄さに改めて感じ入ってしまった。
 国会議事堂の前を爆走する装甲車、爆発炎上、ひっくり返るパトカー、白バイ、川を飛び越しサスをべったり沈ませて着地するフェアレディZ・・・「西部警察」については詳しく後日機会を改めて書きたいと思うけど。

 新宿を出て甲州街道沿い、高井戸に近いバイク屋でRZ250を発見し立ち寄って
見せて貰う。

            

 初のラジエーター付きの2ストエンジンは当時はかなりの話題だった。
 初期型のストロボをトリコロールで配した白いタンクもいいけれど、自分が30年前に乗っていたのはこのブルーのラインのヤツだ。

 今年のような寒い冬ではラジエーターが冷え過ぎて、ガムテープで半分ほど覆わないと調子が悪い。片肺にもよくなった。NGKの♯8が確か標準だったがいつも6か7をシートボックスの下に入れてグズグズ言い出したらプラグを自分で交換したりもした。
 天気の悪い時の信号待ちでよくそのトラブルに見舞われた。
 モクモクと白い煙を吐きCastrolのオイル特有の匂いは甘ったるかった。
 だが、その一番の魅力はナナハン・キラーとも評されたその圧倒的な加速だろう。
 思わず跨ってみたかったが、そうすると本当に欲しくなってしまうのでやめておいた。

            
 このサイドカバーはいたずらされたり、盗まれたりいろんな災難を引き起こしたが
、タンクから後輪へ向かう尖ったストライプはこのバイクのセールスポイントだ。

            
 少年キングに連載されていた「ワイルド7」を読むようになったのは中1からだったと思う。

 悪を以て悪を制すは、なんだか幕末の新撰組にも似たコンセプトだが、リーダーの飛葉大陸ほか世界やオヤブン、ヘボピー、両国など個性的なキャラと彼らが操るバイクがさらに個性的だった。

            

 八百の乗っていたノートンはヤモリのように、ビルの谷間や隙間を横から二つ出てくる車輪で上ることもできた。こんな万能なバイクがあるのかと本気で信じていたが、大人になってあんなバイクはおとぎ話と知った。
 このころから段々、本格的なオフロードバイク、いわゆるトレール車の市場は主にヤマハとスズキで形成されていく。ホンダも作ってはいたが、マックイーンにCM出演させたエルシノアだけで4ストを得意とするホンダが2ストのバイク市場にそんな真剣ではなかった。
 70年代中盤から後期にかけてのトレール車の魅力にタンクラインを、自分なら上げるだろう。

            

         
 ヤマハのDT400と250だ。

 特に250の方は黄色いタンクと一体化するような流麗なラインでまとめられている。このバイクが世に出た当時はまだ50ccのマメタンしか乗れなかった。
 数年してスズキのハスラー400を友人から譲り受けるのだが、日本通運のトラックの助手のアルバイトをしていた時に酔っ払い運転で捕まり免許は取り消し、ハスラーも処分するしかなかった。
 欠格期間を終えてバイクの免許も中型を取ったが、そのときはオンロードのGSX250や前述のRZ250だった。

 80年代初頭のポパイにはDT250にトニーラマのブーツでジーンズ、マンパーみたいなスタイルで合わせよう、街中トレール!なんて出ていたと思うが、当時のレーサーレプリカブームでカウル付きのカフェレーサーにしか眼が行かなくなっていた。
 江戸川の土手を二人乗りでサードギアで上れるハスラー400の魅力など何処かへ
置き忘れていた。

 最近、公開された映画のワイルド7はこのオフロードバイクの魅力よりコンクリート・ウェスタン=都会の西部劇のほうがイメージが強いのかもしらない。
 観ていないし何も言えないけれど。

 オヤブンが乗っていたのはハスラー250だと思う。子分が1,000人も居るヤクザの親分がいきなり白バイ隊になんかなれないとその当時から思っていたが、劇中のオヤブンは人情味あるキャラクターでトレール車の扱いが抜群にうまい。

 飛葉ちゃんが右手にライフルを提げてCB750で突っ走ってるのがよくあるけど
、スロットルはどうなってるんだろう?
 アオシマから発売された飛葉のCB750の下部にはゼンマイが付いていた。
 リアシートの端部からチェーン付きのミサイルを発射するギミックはついていたが
、いざ、作ってみるとなんとなく不格好で味気なかった記憶がある。

            
            
            

 「ゼンマイで動くバイクのプラモなんてねえ...」と思うけど、当時は今のようなリアルな造形をフィギュアで飾っておくなんて言うよりギミックが命だったから仕方ないだろう。
 この模型のゼンマイについても別の機会で語りたい。


 旧いバイクに昂ぶるのはなぜだろう?

 今更、DTやハスラーを手に入れて乗ってみたら心の中のオヤブンや八百が甦るのだろうか・・・?昔、実写版で放映されたワイルド7は、ほとんどスズキのバイクしか出てこなかったが、あれはあれでなかなか憧れたものだ。

 中山麻理なんかも革のツナギで、マリアンヌ・フェイスフルばりにバイクで仇を追う殺し屋みたいな役をやっていて妙にセクシーだった。
 「・・・♪ お前がやれぬことならば  俺がこの手でやってやる そうさ、この世のどぶさらい・・・」
 よく行く旧い歌を素敵に歌わせてくれる店でこの主題歌を歌っていたら、帰りがけに自分より5歳ほど上のカッコイイおじさんに声をかけられた。
 「いや、こんなところでこの歌聴けるなんて!あの番組に出てたスタントは友人だったんですよ。ありがとうございます」
 などとお礼を言われてしまった。
 この店に来る50前後から60手前くらいの方と案外、カウンターで呑んでいて歌や曲の事を話して友達になってしまう場面が多い。

 やはり、テレビなどというものがそれだけの娯楽性を失ってきたからだろう。
 使い捨てになるような業界や番組作成の在り方、視聴率ばかりに目を奪われろくでなしがはびこるような御笑いや下品なコントを垂れ流している。
 家人に食事中にそれを見せられるのはたまに拷問に近い苦痛に感じる時もある。

 自らの人生や体験の中で後進に道を説くような大人は今は嫌われる風潮にある。

 先人の苦労や辛酸を我がことに、己の人生に置き換えて人の話を聞こうとするスタンスは今の大方の3,40台には少ないだろう。
 旧いバイクは求めるのは意外と楽かもしれないが、今は駐車スペースも居る。
 ヘルメットや手袋を置いて置くスペースも欲しい。ガレージ付きの郊外の戸建てが望ましいが今すぐではどうにもならない。
 準備が整って、70年代の旧車にでも出会えたら何処の土手や河原を旅して回ろうか?林道ツーリングも楽しいかもしれない。

 オンロード・バイクより2ストのトレールのほうがあちこち走るのにきっと便利だろう。旧いバイクに乗れたからと言って、心の中の八百も飛葉ちゃんもオヤブンも出てきてくれる訳ではない。

              

 ただ、少しは自分を楽に励ましてくれる友達が増えるだけだ。
 リーダーの飛葉は最終章で思わせぶりな占い師の老婆から優しい鷲と比喩された。
 
 新緑の草木、秋や冬に感じるその草木の枯れて朽ちていく気配と匂い・・・。
懸命に生きてきた自分とその代償をクリアな思い出とともに感じ、生きながら得る自分を「たまには いいことあるさ・・」と願ってやまない自分が居る。
 携帯電話などなく、いちいちバイクを公衆電話の脇に停めて公衆電話をかけていた
、あの頃の自分のすがすがしく脳天気なころに少しは戻りたい。

 70年代から80年代初頭のバイクたちはワイルド7とともに、そんな思いをタンクのラインから教えてくれる。

              

優しい鷲は今も心の何処かで生きているんだとも・・・。



 (c)2012 Ronnie Ⅱ , all rights reserved.




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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

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