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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
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No.128
2009/11/09 (Mon) 22:31:40

"Blue Moon"という歌はいろんな人が歌っているようだが、僕は女性ジャズ・ヴォーカルのジュリー・ロンドンによる録音が好きだ("Julie is her name VOL.2"というアルバムに所収)。プレスリーの歌ったものがとくに有名らしいけど、それはちゃんと聴いたことがない。

歌詞が気になってネットで調べてみた。

BLUE MOON
作詞:Lorenz Hart 作曲:Richard Rodgers

Blue moon, you saw me standin' alone
Without a dream in my heart, without a love of my own
Blue moon, you knew just what I was there for
You heard me sayin' a prayer for
Someone I really could care for

And then there suddenly appeared before me
The only one my arms will hold
I heard somebody whisper "please adore me"
And when I looked, the moon had turned to gold

Blue moon, now I'm no longer alone
Without a dream in my heart
Without a love of my own


青き月よ お前は俺が独りたたずんでいるのを見ていた
心に夢もなく 愛し合う人もいないこの俺を
青き月よ 俺が何故そこにいたのかもお前は知っていた
俺の祈りの言葉も聞いていた
それは俺が心底気づかうことのできる人への祈りだった

そのとき突然目の前に現れたのは
俺がこの手に抱くであろう唯一のもの
誰かがつぶやくのが聞こえた 「私を慕ってごらん」と
見るとそのとき 月は金色に変わった

青き月よ 俺はもう一人じゃない
心に夢もなく
愛し合う人もいないけれど


自分で訳してみたが、これでいいのかな。通常どんな日本語訳がされているのか全然知らない。
まず"without a love of my own"とあって、辞書で調べると"love"を「愛する人」のように使う場合、通常その相手は女性らしいから、歌の主人公は男性ととりたい。"care"は普通「気づかう」だろうけれど、この歌詞の場合「愛する」と訳してもいいものだろうか。

"And then there suddenly appeared before me"というのは何が現れたのだろうか。"please adore me"という誰かのつぶやきが聞こえたとあるが、"adore"は「神として(あるいは神のように)敬愛する」という意味らしいから、人間がそんなことをつぶやくのは変な気もする。月がつぶやいたとするとぴったりのセリフかも知れない。だから突然現れたのは「月」で、月に"please adore me"と語りかけられたような気がして孤独感が癒され、さらに金色に輝いて主人公の心に希望の光がさした、ということじゃないかな。
この読み方がいちばん筋が通るように思えるのだが、他の解釈も可能だろうか。

しかし英語を日本語に訳すのって難しいものだな。"a love of my own"など、単に「恋人」ではまずいような気もして、ぴったりした訳語が思いつかない。英語に詳しいかた、良い訳があったら教えてください。


こんな歌が気になりだしたのは、久しぶりに映画「狼男アメリカン」を見たからだった。この"Blue Moon"が、この映画のオープニング曲として使われている。1981年のアメリカ映画で、原題は"An American Werewolf in London"。僕ぐらいの年代の人で、この映画が強く記憶に焼きついている、という人は多いのではないだろうか。

題名のとおり、イギリスに旅行に来たアメリカ人が狼男になる、という話。二人の若いアメリカ人が旅行に来て、イギリスの片田舎を満月の夜に歩いていると、狼に襲われて一人は死に、一人は浅い傷を負って助かる。生き残ったほうの男は狼男になってしまい、満月の夜になると変身する(最初に襲ってきたのは実は狼男で、主人公はその血を受け継いだのだった)。手の平や背骨や顔が変形していくリアルな変身シーンは、当時ものすごいインパクトがあった。面白いのは重傷を負って死んだほうのアメリカ人が、見るも無残な傷をさらしながら時々主人公の前に現れるところ。「お前は狼男になって殺人を犯すようになるから、満月になる前に自殺しろ」と警告しに来るのだが、ゾンビのようなおぞましい姿なのに、あくまで普通のアメリカ人のように軽いノリでジョークを飛ばすあたり、かなり笑える。「ホラー映画なのに可笑しい」というのも、当時は画期的だったようだ。今度見直して初めて気付いたけれど、監督は「ブルース・ブラザース」のジョン・ランディスだったのだな。面白いはずだ。

同じ時期「ハウリング」という狼男映画もあったが、こっちはあまり印象に残ってないな。続編が何本も作られたようだから、あるいは面白かったのかも知れない。これもそのうち見直してみよう。


(c) 2009 ntr ,all rights reserved.
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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


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