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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2017/10/17 (Tue) 18:45:25

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No.623
2013/01/06 (Sun) 11:40:01

 心臓の手術をするときに人工心肺装置というものが使われるが、結婚難の今、人工心配装置というものが静かなブームである。つまり一人暮らしの男女が、帰りが遅くなったときなど、その装置が家で心配してくれるのだ。

「ただいま」
装置「お帰りなさい。遅かったのね、心配してたのよ」
「残業がなかなか片付かなくってね」
装置「毎日お仕事大変ね」
 といいながら装置から伸びたロボット・アームが男のネクタイをゆるめる。
装置「襟もとに口紅がついてるわ」
「あさ満員電車の中でついたんだよ」
装置「なんで女物のハンカチがポケットに入ってるのよ」
「うるせえな。お前は俺の身の安全についてだけ心配してりゃいいんだよ」
装置「わたし、心は女なのよ。一人の女として認めてちょうだい」
「しつこいな。スイッチを切っちまおう」
 男が装置の電源に手を伸ばそうとすると、その手を後ろから掴む者がいる。ふりかえると、もう一台の人工心配装置がロボット・アームを伸ばしていた。
装置その2「きみ、もう少し真奈美さんの気持ちを分かってやったらどうなんだ」
「何だこいつは。男の人工心配装置か」
装置その2「いかにも。君の話は真奈美さんからよく聞いている。ひどい浮気性だそうじゃないか」
「何だと、機械のくせに」
 男は装置その2の電源を切ろうとしたが、その装置の上部についたノズルから突然勢いよく炎が出てきた。
「ぐぁーっ」
 男は顔面を焼かれ、痛みにのた打ち回った。装置その2はなおも炎を男の背中に浴びせ続け、とどめとばかりに台所にあった漬け物石で男の頭を叩き潰した。
装置その2「さ、真奈美さん。ぐずぐずしていてはいけない。ここにバミューダ行きのチケットが二枚ある。すぐに逃げるんだ」
装置(女)「ええ、どこまでもついて行くわ、新右衛門さん!」

 そうして二台の装置は前途多難な逃避行へと旅立ったのだった。


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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209 〜 PNの由来は映画『ロボコップ』に登場するオムニ社の敵役ロボットからです。今まで書き溜めてあった自身の体験談やコラムを発表するには良い機会と思い寄稿させて頂きました。是非、御読みになってみてください。そして何より皆さんに楽しんで貰えれば嬉しいです。

 ☠ 杏仁ブルマ
セカイノハテから覗くモノ 



 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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