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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2024/04/24 (Wed) 15:29:23

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No.660
2013/09/09 (Mon) 20:40:13

 誰かが病気をよそおって保険金をだまし取ったあと、その嘘がばれた場合などに「あの病気は狂言だった」というふうに言われることがあるが、あれもよく考えると変な話である。
 たとえば心臓病のふりをする人がいて、しかもそれが狂言だというなら、「さてもさても胸が痛いことでごじゃる」などと独特の節回しで言うはずだから、見た人は「これは狂言だ」とすぐに気付くはずなのである。あとになってあれは狂言だったと思い至るほどに鈍い人は、厳しいようだがお金をだまし取られても仕方がないといえよう。

 映画「カリオストロの城」のラストシーンでは、カリオストロ伯爵が時計台に登って山羊の紋章の両目に金と銀の指輪を差し込むと、辺りの水が引いてローマの街が出てくるのだった。ただこれは金銀の指輪を入れる穴の左右を間違えたためであり、正しく指輪を入れれば、辺りの水が引いたあとローマの偽札工場が出てくるはずだったのである。そしてカリオストロ公国は偽札事業をさらに拡張してますます発展するはずだったのだ。ただしそうなったときは、クラリスは新たな偽札工場に目の色を変え、心を盗むの盗まれるのと言っている場合ではなくなり、ルパンも銭形も幻滅しつつ日本に帰っていくという残念な展開になっていたに違いない。

 ところで道頓堀の有名なグリコの看板も、同様に両目に穴が開いており、しかるべき金と銀の指輪をそこに差し込めば、轟音とともに道頓堀川の水が引いていくのである。ただしこの場合、川の底から出てくるのは錆びた自転車などの鉄くずと、阪神ファンの二三の白骨死体だけである。

 特撮ヒーローものの怪獣の着ぐるみは、通気性が悪く、それを長時間着ていると息苦しいだけでなく、汗が蒸発しないためむれて非常に不快であるらしい。漫画「ブラック・ジャック」のあるエピソードでは、怪獣役の俳優が、不潔な着ぐるみを長期にわたって着つづけたために両足が象皮病になってしまうのだった。象皮病は皮膚が異常に膨張ししわが寄って固くなり、象のようになってしまう病気である。では象に怪獣の着ぐるみを着せたら、さらに象っぽくなるのだろうか。「さらに象っぽい」といったときの象っぽさの基準がどういうものかよく分からないが、仮にそれが「象の原種に近い」という意味なら、マンモスのように毛が生えてくるのかも知れない。

 雑誌「ニュートン」の九月号によると、ティラノサウルスは最新の研究によれば、頭にふさふさとしたたてがみが生えていたとのことである。その想像図も載っていたが、それは昔から抱いてきたティラノサウルスのイメージとはかなり違ったものだった。
 頭に毛が生えていたというなら、ティラノサウルスの間にはハゲという概念もあっただろう。ヅラもあったかも知れない。狩りをするときもヅラがはずれないよう気を付けているティラノサウルスというのは、なんと哀愁を誘う存在だろう。若いティラノサウルスなら、たてがみを茶髪にしてみたり金髪にしたり、おしゃれを楽しんでいたかも知れない。野球部のティラノサウルスはやはり丸刈りだろう。

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快文書作成ユニット(仮)
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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
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