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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2017/08/21 (Mon) 00:26:30

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No.665
2013/11/03 (Sun) 03:16:20

ふだん漢詩をよく読み、短歌の本もときおり開いてみるが、俳句についてはこれまでどちらかというと縁が遠かった。それがひょんなきっかけでこのごろ俳句のアンソロジーを紐解くようになって、秋の句を中心に見ているが、面白いものだ。

 爽やかに日のさしそむる山路かな  飯田蛇笏(1885~1962)

 読んだ瞬間に秋の山の爽快さが身に染みてくる。見飽きると「ふつうの作品」という感じもしてくるが、こういう自然な言葉の運びは素人が思うほど簡単ではないのかも知れない。「爽やか」というのが秋の季語らしい。

 初秋の蝗(いなご)つかめば柔らかき  芥川龍之介(1892~1927)

 初心者の自分でも上手いなぁと感じる。いなごのようなばったの類は手にとると柔らかくて、手の中でぷるぷると震える。子供のころに虫取りした時のあの感覚は、言われてみれば忘れがたくて、それはある種の面白さを伴った感覚だ。

 柿の葉や一つ一つに月の影  夏目漱石(1867~1916)

 漱石は漢詩も巧みだが、こういう俳句作品も良いですね。サボテンの棘の一つ一つの先に露が置いているとか、この手の句は例が多いのかも知れないが。

 暮るる日をさう嬉しいか虫の声  

 青空に指で字を書く秋の暮  

 遠山が目玉にうつるとんぼかな  

 小林一茶(1763~1827)の三作。一茶という人は、もう自分の語り口が完成していて、作ればどれも彼独自の良い作品になるんでしょうね。

 秋の日や猫渡り居る谷の橋  原石鼎(1886~1951)

 猫というのは姿が見えないときどこでどういう行動を取っているか分からない動物だ。で、飼い主の知らないところで徐々に縄張りを広げていたりする。この猫を知る人も、まさか谷の向こうまで行動範囲に入っているとは思わないかも知れない。

 もの置けばそこに生まれぬ秋の陰  高浜虚子(1874~1954)

 どうも、アイディアが出尽くすぐらい考え抜いた末に出来た作品という感じがするが、実際どうなのだろう。よく考えてみれば、秋には秋の気が世界のすみずみまで行き渡っているのだから、もの影ひとつとってみてもそこに秋の気配を発見するのも不思議ではないのだろう。

 秋雨や線路の多き駅につく  中村草田男(1901~1983)

 言われてみれば秋雨にぬれた線路というのは絵になる。佐伯祐三などが描けば見事な油絵になるのではないか。

 秋草を出て秋草に消ゆる径(みち)  木下夕爾(1914~1965)

 秋草を出て次はどうなるんだ、また秋草だ、などというこの句の発想は、シュルレアリスムに通じると思う。俳句というのは実に多様な可能性を秘めている形式だと感じる。

 ある時は月を古仏となしにけり  尾崎迷堂(1891~1970)

 尾崎迷堂は僧侶でもあった人だそうだ。月を古い仏像と見るのは面白いが、言われてみればそう見るのが自然なことのように思えてくるから不思議だ。ただ月と言えば俳句では秋の月をさすそうだから月が季語である。
 話はそれるが、満月のときには欲しいものを願い、新月のときには捨てたいものについて祈る、という話をさいきん耳にしたが、これは古いいわれのある信仰なのだろうか。

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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

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 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

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セカイノハテから覗くモノ 



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