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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2017/10/21 (Sat) 12:01:21

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No.528
2011/12/26 (Mon) 12:28:12

 前の日記でLET IT BEが登場したので、ジョンと言えば確かにジョン・レノンかもしれないが今回は違う。

 古き名匠、ジョン・スタージェスとジョン・フランケンハイマーの名作を2遍。


 昨日はある都心の学校の現場に仕事で赴いた。
 打ち合わせ後の検査で各階を回るうちに、校内スピーカーからテストなのか鳴り響いたのは「荒野の7人」のテーマ。
 思わず、聴き入ってしまったのだが・・・。

 帰り道のJR線の車内で得た、ある結論。

 そうか・・・今の世には西部劇なんかないんだなと。

 ジョン・スタージェス監督のこの作品はマックイーンやブロンソンをスターダムに
押し上げただけでなく、週に何度かある民放各局の定番とも言うべき金字塔だ。
 黒澤の「七人の侍」をベースにした脚本は当時25ドルとか。
 だが、ユル・ブリンナーもコバーンもロバート・ヴォーンも誰もが個性的で逞しいし、哲学を持っている。

 劇中のセリフで、マックイーン扮するヴィンが「後悔なんかしないさ、そんときはそれでいいと思ってるのさ・・」という内海賢二氏の吹き替えは未だに耳から離れない。

             

 野盗の群れから平和な村を奪回した後には何人かの仲間は息絶えていた。
 だが「勝ったのは農民だ、土地を持って耕すあいつらのほうが偉いのさ」とばかりに、自らの渡世をはにかんで悟ったようにブリンナー扮するクリスと去っていく。

 そういえば「荒野の・・・」というのはこの時代に流行った言葉だ。
 映画にまつわるだけでも用心棒、1ドル金貨などたくさんある。
 少年ジャンプには「巨人の星」を書いた川崎のぼるが「荒野の少年イサム」なんて連載していた。

 粋な校内放送、マイクのテストかスピーカーのチェックか知らないけれど。
 洋画番組で断片を観始めた頃、すなわち小学校5、6年か中1あたりの給食の時間を思い出した。ホテルの厨房と言ったら言い過ぎだろうが、今のそんな給食室とは比較にならないくらい昔の給食なんて劣悪な環境で造られていた。

 焼きそばの中にキャベツの芯が入っていたり、食パンの角はいつも濡れていたり、口の中に入れても自我中毒で戻しそうになったことも何度かある。
 嫌嫌で飲みこんでから聞こえるのは、時に勇ましい西部劇のサントラ・・・それが
昼休みに流す学校放送だった。その代表格が「荒野の七人」であることは間違いない。都心のモデル校にもなるようなホテル並の厨房施設を備えた学校では、よもやキャベツの芯を・・・なんていうことはまずないだろうが。

             
             

 タイトルを知ってはいたが、きちんと見たのは確か21,2の頃の深夜の正月映画の特番だった。

 「グランプリ」当時は年代を問わず、走るフォーミュラ・1の映像なんて目にする機会はほとんどなかった。NHKの海外ダイジェスト報道とか、オイルやパーツメーカーのコマーシャルでしか見れなかった。

 60年代のホンダの世界進出を三船敏郎やジェームズ・ガーナー、イヴ・モンタンらを使い、当時のレースと世情やロマンを分割画面などを駆使して、今でも見応えたっぷりに仕上げているのは、とても40年以上も前の映画とは思えない。監督のジョン・スタージェスと言う人は、どのアングルでどのように撮れば迫力や怖さやスピードが観衆に伝わるかを知っているからだ。

 冒頭の、マフラーがアップになって排気と陽炎が立ち上る中、スターターが各ドライバーにアピールする5,4,3,2,1・・・の手と指の躍動、心臓がせり出しそうになる緊張と興奮は、ドライバーたちがグラブをはめるという単純な仕草からもう始まっている・・・なんという男らしい世界。レンチやプラグが生き物のような錯覚さえ覚える。。

 モナコの市街地コースで、前車のオイルや粉塵を浴びゴーグル以外は顔をすすで真っ黒にして走り抜ける男たち。劇中にはリアルな描写の男女の色恋も当然あるのだが、過剰過ぎて映画の本質を壊すなんて言うことはしていない。
 あくまでもリアリティに訴えかける。
 驚かされるのは、フィル・ヒル、ブルース・マクラーレン、グラハム・ヒルなどの本人たちが参加していることだ。だから劇中のサーティースやスチュワートに一層のリアリティが生じている。まさに、才人たちだ。

             

             

 中でも、「そろそろ落ち目」と言われてる下馬評を弾き返そうと、必死にジェームズ・ガーナーのホンダを追いかけるイヴ・モンタンのフェラーリの姿は泣けてしまう。
 伝説となったモンツァのバンクで疾走中に、前車の落したマフラーを避けようと
ステアリングを切りそこなった彼のフェラーリは真っ逆さまに転落、炎上してしまう。
 当時のF1は死亡率5割ともいう危険なモータースポーツだった。

             

             

 マックイーンの「栄光のルマン」などもそうだが、この時代に嘘っぽくない、安っぽくないレース映画を本気で撮ろうとしたからこそ、今見ても素晴らしい画像が残っている。
 たまたま、近所のヨドバシに出かけたら、そんな「グランプリ」のブルーレイが廉価で棚に置いてあった。すかさず・・とも思ったが、後でもう一度出かけて他にも探し物をして求めようと思った。

 いまどきのスリーディなんぞには興味も関心もない。
 映画は自分にとって奇をてらった見世物でも、小手先のインチキ芸でもなく、生身の人間が演じる様々な人間模様・・・いわば、人の人生を垣間見る疑似体験でもあるのだ。

 それにしても、昔の年末年始の深夜は改めて思いだすと、初詣前にいろんな楽しみがあったことをまざまざと照らし出す。
 
 ピートもヴィンもクリスもいない。

 下らぬ御笑い一辺倒やバラエティの総集編などもう少し絞って、あの時代の名画を・・・と思うのは自分ばかりかと。

 マシンも時代も違うからそこはそれなのか?
 歌は世につれ、世は歌につれてとは言うけれど。


 偶然ネットで見つけた伝説のモンツァのバンクの最近の画像だ。

             

             

 忘れ去られ哀愁を帯びて朽ちるモノに、最近、言葉にたとえられぬ愛着を感じる。



 (c)2011 Ronnie Ⅱ , all rights reserved.




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 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


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