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 『読んで面白い』『検索で来てもガッカリさせない』『おまけに見やすい』以上、三カ条を掲げた〜快文書〜創作プロフェッショナル共が、心底読み手を意識した娯楽文芸エンターテイメントを提供。映画評論から小説、漢詩、アートまでなんでもアリ。嘗てのカルチャー雑誌を彷彿とさせるカオスなひと時を、是非、御笑覧下さいませ。
No.
2017/08/21 (Mon) 00:28:03

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No.508
2011/11/20 (Sun) 00:18:48

 気がふさいで仕方がなかったから近所のコンビニにビールを買いに行った。空を見上げると月が緑色に輝いていて、セブンイレブンの店員が数匹の狼に襲われていた。そういえば「さらば美しき人」という映画では兄妹が近親相姦していて、妹を妊娠させた兄が最後には切り刻まれて犬に食われるのだっけと思ったが、ぼんやり見ているわけにはいかないからそのコンビニ店員を助けた。彼は左腕がちぎれかけ右の眼球が垂れ下がっていたが、痛そうな様子も見せず「すみません、このごろ狼のえづけをする人がいるもんで」と言ってニッと笑ったから不気味だった。その代わりビールをただでもらえたから良かった。他にラーメンの雑誌ももらった。表紙に「ラーメン激戦区・大阪!」と書いてあり、中には美味しそうなラーメンの写真がいっぱい載っている。しかし評論家のような人が「私のイチオシはこれ!」と来来亭のラーメンを推していたが、近所の来来亭は美味いと思ったことがないから変な感じがした。この辺でいちばん美味いラーメン屋と言えばやはり塩元帥ですかね、とコンビニ店員に尋ねてみたら、彼は飛び出した右目を眼窩に押し込むのに必死で質問には答えなかった。

 帰ってポップコーンをつまみにビールを飲んでいたら携帯にメールが来て、それによると僕に五十万円の賞金が当たったという。何も応募していないのにそんなものが当たったら気持ち悪いやと思いつつ、五十万円のボタンを押したら名前や住所などの個人情報を入力する画面になった。それに入力すると急に次々とメールが来て、それは全部僕とデートしたいという女性からのものだった。「こんばんわ! 今晩は狼おおいけど私とえっちしませんか?」というメールが来て、写真がついていたが、彼女は狼に襲われたのか鼻がちぎれていて生え際から頭蓋骨と赤茶けた脳の一部が飛び出し、左目も無かった。ただ目に関しては「ごめんなさい! わたし代々鍛冶屋で片目がつぶれてるんです!」という注釈があった。五十万円はどこに行ったのだと思いつつ僕は携帯の電源を切り、寝転がった。

 思えばお金がなかなか貯まらない。このひと月で親戚の結婚が一つ、それから不幸が二つ続いて、そのつど祝儀だの香典だのと予想外の出費が重なった。これでは金が出て行くばかりで割に合わない気がするから、結婚詐欺でもしようかしら。というか誰か僕と結婚してください。職場には美人の先生も多いが、みな仕事に燃えていて近寄りがたいのが難点だ。

 Amazonで注文した“Automorphic Forms and L-Functions for the Group GL(n,R)”という本がなかなか届かない。大学で「群の表現」という分野をやっていたから the Group GL(n,R)、つまりGL(n,R)という「群」が気になって読もうと思ったのだが、この本のタイトルを日本語に訳すと「一般線型群の保型形式とL関数」となることに注文してから気がついた。
 数学に縁のない人には「群の表現」というだけで充分意味不明かも知れないが、「保型形式」というと数学の中でもとくに難しいとされる整数論のトピックである。その方面の研究をしていた友人が何名かいるけれど、何年も辛酸をなめて結局研究をあきらめ高校の教師になった人、四度も五度も外国に留学してようやく大学の准教授になった人と、いろいろである。昨年ベトナムのゴーという人がフィールズ賞を受賞したけれど、おそらくそれと関係のある「保形表現の基本補題の証明」というのが受賞理由だった。そういう訳で保型形式というものに関わる気はさらさらないのだが、しかし大学院時代の友人はみなどうしているだろうか。
 大学院の数学科というところは、そこに在籍している人と、やめた人とでは数学に対する態度が一変する。在籍している人は、数学に関することを積極的に話すけれども、やめた人は必ず「そんな難しいことは分からない」と言明を避けるようになる。「数学は引退した」という態度をはっきり表明するのである。僕はそれがなぜなのかいまだにピンと来ない。自分が院生時代からそう真剣に研究に打ち込まず、就職してからもあまり仕事に打ち込まないで、ときどき思い出したように数学をやるという、グレーゾーンの態度で一貫しているからかも知れない。そして教師としても非常勤というグレーゾーンを漂い続けている。
 
 このところ平日に深夜まで起きていることが多い。どうも目が冴えている。
 外を見るとハイエナたちがうろついている。狼の犠牲者の死肉を漁っているのだろう。テレビで見たがハイエナというのは意外と強いらしく、ライオンなどにはかなわないが、チーターなどを襲って獲物を横取りするのだという。チーターは獲物を捕らえるのは巧いが喧嘩は強くないらしい。それにしてもハイエナという動物は容貌からしてこすっからい感じがして、嫌な奴らだ。そういえばパチンコにも「ハイエナ」というのがいると聞く。パチンコのことはよく分からないが「期待値が低い部分は他人に打ってもらい、自分は大当たりの可能性の高いおいしいところだけを打つ」らしい。しかし自分は右翼だからパチンコなど嫌いだ。編プロにいたころ社長に「お前ドン臭いからパチスロ下手やろ」と言われたが「そんなことが上手くて自慢になるかボケ」と思ったものだ。
 そうはいってもパチンコ業界は繁盛しているらしく、駅の近くに立派な外装のビルができて何かしらと思ったらパチンコ屋だった。十三駅近辺はにぎやかだがどうも文化的な雰囲気がなく、すでに何軒もあるパチンコ屋をさらに建てるぐらいなら本屋でも建ててほしい。あと十三といえば自分も通った北野高校があるがラブホテル街のただ中にあるし、近頃の北野生はモラルが低下しているのか制服のままラブホテルに入っていくという。そんな後輩は隕石にでも当たって死ねばいいのにと思う。

 そろそろ夜が明ける。ハゲタカが出てくると鳴き声が嫌だからそろそろ寝よう。

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執筆陣
HN:
快文書作成ユニット(仮)
自己紹介:
 各々が皆、此の侭座して野に埋もるるには余りに口惜しい、正に不世出の文芸家を自称しております次第。以下、【快文書館】(仮)が誇る精鋭を御紹介します。


 ❁ ntr 〜 またの名を中村震。小説、エッセイ、漢詩などを書きます。mixiでも活動。ふだん高校で数学を教えているため、数学や科学について書くこともあります。試験的にハヤカワ・ポケット・ブックSFのレビューを始めてみました。

 ❖ 呂仁為 Ⅱ 〜 昭和の想い出話や親しみやすい時代物、歴史小説などについて書きます。

 ✿ 流火-rjuka- ~ 主に漢詩の創作、訳詩などを行っています。架空言語による詩も今後作りたいと思っています。

 ☃ ちゅうごくさるなし
主に小説を書きます。気が向けば弟のカヲスな物語や、独り言呟きなことを書くかもしれません。

 ♘ ED-209 〜 PNの由来は映画『ロボコップ』に登場するオムニ社の敵役ロボットからです。今まで書き溜めてあった自身の体験談やコラムを発表するには良い機会と思い寄稿させて頂きました。是非、御読みになってみてください。そして何より皆さんに楽しんで貰えれば嬉しいです。

 ☠ 杏仁ブルマ
セカイノハテから覗くモノ 



 我ら一同、只管に【快文書】を綴るのみ。お気に入りの本の頁をめくる感覚で、ゆるりとお楽しみ頂ければ僥倖に御座居ます。









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